Disc Review

Blinking As the Starlight Burns Out / Paula Kelley (Wharf Cat Records)

ブリンキング・アズ・ザ・スターライト・バーンズ・アウト/ポーラ・ケリー

ストリーミングのおすすめニュー・リリースをぼんやり聞き流していたら、突然、ビーチ・ボーイズの「オール・アイ・ウォナ・ドゥ」の女性シンガーによるカヴァーが流れてきて。

ファンにはおなじみ、1970年のアルバム『サンフラワー』に収められていたブライアン・ウィルソン&マイク・ラヴ作品。シンプルなラヴ・ソングながら、深々としたエコーをともなった音像と複雑に折り重なったブリッジ部のコーラスがなにやら神秘的なムードをもたらしてくれたあの曲を、しかし今どきカヴァーするなんて。誰? とびっくりしてクレジットを見て、またまたびっくり。

ポーラ・ケリー。元ドロップ・ナインティーンズ。その後、ソロで、あるいは他のバンドの一員として、あれこれ活動してきたインディ・ポップ系シンガー・ソングライター。透明な歌声とオーケストラル・ポップ的な持ち味がなんとも独特で。

そんなポーラさんが「オール・アイ・ウォナ・ドゥ」歌ってたもんで。慌ててチェックしてみたら、なんと3月末にニュー・アルバム出してました。それが本作『ブリンキング・アズ・ザ・スターライト・バーンズ・アウト』。何年か前、ドロップ・ナインティーンズに復帰してアルバム出したりしていたけれど。ソロ名義でのフル・アルバムとなると、たぶん2003年の『ザ・トラブル・ウィズ・サクセス・オア・ハウ・ユー・フィット・イントゥ・ザ・ワールド』以来?

ブライアン&マイク作の「オール・アイ・ウォナ・ドゥ」以外は全曲ポーラさんのオリジナル。今回も切なく胸しめつけるメロディと、ふくよかなアンサンブルに満ちた1枚に仕上がってます。ビーチ・ボーイズはもちろん、昨日紹介したゾンビーズのコリン・ブランストーンや、ビッグ・スター、トッド・ラングレン、ELO、ABBA、さらにはジュディ・シルやエリオット・スミスあたりまで視野に入れた豊かな音作りとレモンドロップのような旋律に乗せて、内省的な痛みや、ビターな真理を、あの天使の歌声で綴ってます。

インペリアル・ドラッグのエリック・スコディスがドラム、アーロン・タップがベースとしてクレジットされているけれど、基本的にポーラさんがほぼひとりでさまざまな楽器を手がけているみたい。そこにストリングスとかホーンが加わっていて。ホーン奏者のひとりとして、ブライアン・ウィルソン・バンドの一員としてもおなじみだったプロビン・グレゴリーの名前も。

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