Disc Review

Waysides / Bedouine (Bedouine Music)

ウェイサイズ/ベドウィン

一昨年、本ブログでセカンド・アルバム『バード・ソングズ・オヴ・ア・キルジョイ』を紹介した“ベドウィン”ことアズニヴ・コーケジアンの新作が出た。

セカンド・アルバムを紹介するときにも書いた通り、シリア生まれのサウジアラビア育ち、グリーンカード・ロトに当選したアルメニア系の両親とともにアメリカへやってきたシンガー・ソングライター。ボストン、オースティンなどさまざまな土地を経由して、現在はロサンゼルスを本拠に活動中だ。

ちなみに、このサード・アルバムの収録曲は本作のために書かれたものではなく、過去に書かれながらもアルバムに収録されることなく眠っていた曲たちなのだとか。いちばん古いもので15年前の作品もあるという。そろそろそういう曲たちに何らかのスペースを与えてあげてもいいかな、という気分になったらしく。選曲およびレコーディングがスタートした。

ブラック・キーズ、ノラ・ジョーンズ、マイケル・キワヌーカ、ベックらとの仕事で知られるガス・セイファートが今回も過去作同様、共同プロデュース。基本的にはコーケジアンさんがヴォーカル、ギター、ピアノ、オルガン、そして1曲だけドラムを、セイファートがその他のベーシックな楽器を担当。さらに曲によってマイク・アンドリュースがギターとマンドリン、前作から引き続きのジョシュ・アダムズがドラム、そしてゲイブリエル・ノエルがストリングスでさりげなく的確なサポートを聞かせている。

ジョニ・ミッチェルとか、カレン・ダルトンとか、ヴァシュティ・バニヤンとか、ニック・ドレイクとか、いろいろ想起させつつも、けっしてそのどれにも寄りすぎることのない、独自の世界観を届けてくれる。「ユー・ネヴァー・リーヴ・ミー」って曲の中に“優しく強く/海風が吹く/灯台の灯りがUFOのよう…”って印象的な描写があって。ここで使われている“sweet and tough”って表現が、なんだかベドウィンの音楽にぴったりだなとか思ったりして。

過去の作品群にいったん立ち返ったことで、次なるステップが楽しみになった…的な。そんな1枚です。曲もいいし、声もいいし。すごく好き。

今のところダウンロード販売/ストリーミングのみ。アナログ盤、CDは来年4月か5月みたい。カスタード色のカラー・ヴァイナルとか欲しい気もするけど、ぼくはとりあえずバンドキャンプでロスレス・ファイル、ゲットしました。

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