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Disc Review

I Need a Star in My Life / Humble Pie (Cleopatra Records)

アイ・ニード・ア・スター・イン・マイ・ライフ/ハンブル・パイ

タワー・レコードのWEBストアをパトロールしていたら、また何やらハンブル・パイのニュー・リリースみたいなやつに出くわして。なんだなんだ、今度はどんな内容だ? とチェックしてみたら。

アーティスト名はハンブル・パイ、アルバム・タイトルは『アイ・ニード・ア・スター・イン・マイ・ライフ』、説明文は“ブルース・ロック界で最もハードな存在であるハンブル・パイの70年代半ばのレア音源を集めた極上コレクション”的な感じになってはいるものの。ファンならばこのタイトルから想像できるであろう通り、パイの解散前後、1974〜76年という微妙な時期に行なわれた、いわゆる“ザ・スクラバーズ・セッション”の音源集でした。

1991年、スティーヴ・マリオット他界後に、マリオット、ティム・ヒンクリー、グレッグ・リドリー3人の並列名義で出た『スクラバーズ』とか、1996年にマリオット単独名義で出た同名盤(これは日本流通盤も出たっけ)とか、あの辺とジャケットだけは違うけれど収録内容も曲順もまったく同じ全20曲入り。1999年にやはりスティーヴ・マリオッツ・オールスターズ名義で出た『クリアー・スルー・ザ・ナイト』とも12〜3曲かぶってます。

というわけで、別にとりたててピックアップするほどでもないかなと思いはしたのだけれど。ちょっと詳しく情報をチェックしていたら、なんと9月末にヴァイナルLP2枚組も出る、と。で、それがレッド(Amazon / Tower)、ブルー(Amazon / Tower)、オレンジ(Amazon / Tower)の3色それぞれのヴァージョンがある、と。これで俄然、いつものヴァイナル物欲がふつふつと…(笑)。

ぼくはこの“スクラバーズ・セッション”、けっこう好きなのだ。もともとは1974年ごろ、パイのアルバム『ストリート・ラッツ』制作時に並行してスタートしたセッションだったようで。その後、いろいろあってパイは解散。スティーヴ・マリオットはソロとなってスティーヴ・マリオッツ・オールスターズを編成しツアー活動へ。さらにそのメンバーたちとレコーディングも続け、やがて1976年、ソロ・アルバム『マリオット』をリリースすることになるわけだけれど。

だいたいこの辺の時期に試行錯誤されていた音源を集めたものが一連の“スクラバーズ・セッション”ものだ。ハンブル・パイの場合、特にピーター・フランプトンが脱けて、スティーヴ・マリオット、クレム・クレムソン、グレッグ・リドリー、ジェリー・シャーリーという顔ぶれになってから、けっこう興味深いカヴァーが多くて。ソロ作も含め、個人的にはそのあたりを気にしつつ楽しんでいたのだけれど。

ここでもサム・クックの「シェイク」、リトル・リチャードの「センド・ミー・サム・ラヴィン」、ロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」、エルヴィス・プレスリーの「ユーアー・ア・ハートブレイカー」、ボ・ディドリーの「モナ」などを楽しげにカヴァー。オリジナル曲に関しても、のちに『マリオット』に別ヴァージョンが収録されることになる表題曲をはじめ、ぐっとソウル方面に寄った仕上がりで。

制作時、在籍していたA&Mレコードから“ファンキーすぎる”という、今となっては信じられない理由で発売を拒否されたという曰く付きの作品群。ハンブル・パイ〜スティーヴ・マリオットお得意のブルース・ロック/ブギーものももちろん入っているけれど、いろいろな端境期ならではの多彩な音楽性の混在が楽しいです。

参加しているのは、マリオット(ギター、ハーモニカ、ドラム)、リドリー(ベース、ドラム)、クレムソン(ギター)というハンブル・パイ組に加えて、イアン・ウォレス(ドラム)、ティム・ヒンクリー(ギター、キーボード)、ボズ・バレル(ベース)、メル・コリンズ(サックス)、B.J.コール(ペダル・スティール・ギター)、ジョー・ブラウン(フィドル)、クライド・キング+ヴァネッタ・フィールズ+ヴィッキー・ブラウン(コーラス)といった顔ぶれ。

ペダル・スティールを導入したカントリーものから、グッド・オールド・タイミーなものとか、ファンクっぽいカッティング・ギターを聞かせるタイプの曲まで、彼自身の音楽性の幅みたいなものに改めて触れることができる。CDはもう出ているけれど、やっぱヴァイナルでほしいです。あー、何色にしようかなぁ。オレンジかなぁ、ブルーかなぁ…。

ちなみに、ストリーミングだとトラック2が「モナ」、トラック15が表題曲の「アイ・ニード・ア・スター・イン・マイ・ライフ」とクレジットされているけれど、これ、逆です。ご注意を。まだブツを手に入れておらずヴァイナル待ちながらストリーミングで聞いているだけなのでわからないけど、すでにリリースされているCDの裏ジャケットの曲名表示見ると、やはり同じように2曲目が「モナ」、15曲目が「…スター・イン・マイ・ライフ」になっているので、心配。ヴァイナルLPも同じかな。まあ、よくあることだし、聞きゃすぐわかることだからいいんだけど。それだけに、ちょっとわびしいミスかも。

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