Disc Review

Thee Sacred Souls / Thee Sacred Souls (Penrose/Daptone Records)

ジー・セイクレッド・ソウルズ/ジー・セイクレッド・ソウルズ

ここ数年、ちょいちょい“ソウルディーズ”って言葉を見かけるようになってきて。ソウル+オールディーズってことでいいのかな? レトロ・ソウルとか、70sソウル・リヴァイヴァルとか呼んでいるタイプの音楽と同義と思っていいみたいだけど。

本ブログでもよく取り上げてきたドゥラン・ジョーンズ&ジ・インディケイションズとか、みんな大好きシルク・ソニックとか、リー・フィールズとか、そういう連中による往年の珠玉ソウル・サウンド再訪ムーヴメント。そこに参戦してきた頼もしい新キャラがこの人たち、ジー・セイクレッド・ソウルズだ。

カリフォルニア州サンディエゴを拠点とする3人組で。アレックス・ガルシア(ドラム)&サル・サマノ(ベース)というリズム隊にジョシュ・レイン(ヴォーカル)が加わった変則編成。一昨年、2020年にリリースされたデビュー・シングル「キャン・アイ・コール・ユー・ローズ?」が以降1年で1000万回以上ストリーミングされたとかで、ローリング・ストーン紙とかビルボードとか、そういうメディアでもけっこう話題になっていたっけ。

そんな彼らの初フル・アルバム。出ました。プロデュースは泣く子も黙るザ・ダップ・キングスの“ボスコ・マン”ことゲイブリエル・ロスが手がけている。この人が“ソウルディーズ”ムーヴメントの仕掛け人みたいっすね。ということで、彼が共同経営するダップトーン・レコード傘下のペンローズ・レーベルからのリリースだ。

もちろん3人だけでなく、ギター、オルガン、パーカッション、ストリングス、ホーン、コーラスなど多くの的確なサポートを迎え入れつつ、イーストLAのチカーノ・ソウルや往年のフィラデルフィア・ソウルあたりを基調に、メンフィスとかデトロイトとかフロリダとかパナマとかそのあたりの息吹もうまいこと導入したソウル・サウンドを構築してみせる。全曲、メンバーのオリジナルというのも泣ける。

レトロっちゃレトロ。オールディっちゃオールディ。でも、これも今の時代に作られた正真正銘、今の音楽だから。21世紀にも十分有機的に機能するコンテンポラリー・ポップ・ミュージックです。しびれます。これもヴァイナル向きっすね。

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