Disc Review

Pet Sounds Sessions Highlights / The Beach Boys (Capitol/Universal)

ペット・サンウズ・セッションズ・ハイライト/ビーチ・ボーイズ

1997年に『ペット・サウンズ・セッションズ』というCD4枚組ボックスが出たときのことは忘れない。本当にうれしかった。

なにやら最近は、『ペット・サウンズ』ばかり名盤と呼ばれることが気に食わないとか、そういうご意見をのたまう方もいるようですが。まじな話、このボックスが出るまで『ペット・サウンズ』のこと話題にする音楽ファンなんて、ほんの、ほんの、ほんの一握り。ビーチ・ボーイズそのものすら話題にならなかったし。なったとしても、あ、「サーフィンUSA」の…的な?

そう思うと、『ペット・サウンズ・セッションズ』が編まれたのがオリジナルLPの発売から30年目で。出たのが31年目。ここでようやくビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソンの真価が世に広まり始めて。以降、じわじわと『ペット・サウンズ』が名盤としてシーンに定着することになって。

ほんと、うれしかった。このボックスを手に入れるまでのドタバタを、以前、本ブログでも書いたことがあった。ちらっと見返してみたら、なかなか涙ぐましかったりして。よかったら覗いてみてください。

で、それからさらに30年。発売60周年を迎えた今、逆張りするかのように、その評価にまた難癖を付ける動きとかも出てきた、と。ひとつひとつ積み重ねてきた歩みを一気に乱暴になぎ払う、みたいな…。音楽の世界に限らず、人間ってそういうことしたくなるものなのかなぁ。なかなか複雑ですが。

ともあれ『ペット・サウンズ』60周年。いろいろな60周年アイテムがリリースされました。

まず『ペット・サウンズ:ヴァイナルファイル(Vinylphyle)2LP』ってやつ。これは1966年のオリジナル・モノラル・マスター、および1996年のステレオ・マスターを使ってスターリング・サウンドのジョー・ニーノ=ハーネスがカッティングしたモノLPとステレオLP、180gのブラック・ヴァイナル2枚組です。

『ペット・サウンズ:ディフィニティヴ・サウンド・シリーズ・オーディオファイル・エディション)LP』ってのもあって。これは1972年、ビーチ・ボーイズがブラザー・スタジオを設立した際、伝説的なマスタリング・スタジオ“アルティザン”で『ペット・サウンズ』の初再発盤をマスタリングしたときのオリジナル・アナログ・モノラル・マスターから再構築された3Dモノラル盤で。100ドルと高価なのだけれど、ナンバリング入り6000枚限定で、すでにソールドアウト。すごいね。

で、『ペット・サウンズ:ゾートロープLP』。ゾートロープってくらいで、要するに“回転のぞき絵”版。盤面にのぞき絵が描かれていて、ターンテーブル上で回すとそれが動くという、変則カラー・ヴァイナルです。楽しいです。

さらに『ペット・サウンズ・セッションズ・ハイライツ』という、まあ、1997年のボックスセット収録の音源からピックアップしたハイライト音源25トラックで構成されたコンピレーションがあって。これがいくつかのヴァリエーションで出ました。通常のブラック・ヴァイナル2枚組あり、グリーン・スプラッター・ヴァイナルやイエロー・ヴァイナルなど数種のカラーLP2枚組あり。2CD版あり。国内盤としてはその2CDだけがリリースされました。軽めのライナー、書かせてもらってます。

で、デジタルでは1997年のボックスそのまんま全90曲が新たにストリーミングおよびダウンロード販売されてます。

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