
グランマズ・ゴスペル・フェイヴァリッツ/ジェイソン・ムラーズ
先月の初め、Facebookにジェイソン・ムラーズの書き込みがあって。曰く“おばあちゃんからゴスペルのアルバムを作ってほしいと頼まれたので、作ってみました。『グランマズ・ゴスペル・フェイヴァリッツ』は5月8日リリース。今すぐ予約&プリセーヴを!”。
プリセーヴして、楽しみに待ってて。出たので、ここ数日、初夏っぽい空気の中、ウォーキングのおともとしてずっと楽しんでます。
ジェイソンの故郷であるヴァージニア州では毎週土曜に『ゴスペル・チキン・ハウス』というイベントが催されていて、そこで好きな讃美歌とか聖歌を聞くのがおばあちゃんの楽しみだったそうで。そこで歌われていた曲を中心に、ジェイソンが構成したのが本作。
ぼくの場合、たまたまゴスペルという音楽を知るきっかけとなったのがエルヴィス・プレスリーだったもんで。彼が1960年代に残した『心のふるさと(His Hand in Mine)』と『ゴールデン・ヒム(How Great Thou Art)』という2作のゴスペル・アルバムを通して、いわゆる黒人教会でハレルヤーッ!的な方向だけではない、白人系のセイクレッド・ソングみたいなものにも早い段階で接することができて。
その後、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドとかを経て、ジミー・ロジャースやカーター・ファミリーの存在を知って。グラム・パーソンズを通して、ルーヴィン・ブラザーズとかジョージ・ジョーンズとかのカントリー・ゴスペルも聞くようになって。さらにジョニー・キコッシュの『ザ・ホーリー・ランド』とか『シングズ・プレシャス・メモリーズ』とかにもハマって。
米国音楽の、というか、まあ、南部白人層とかの文化の奥深さというか、いいなぁ…とは思うものの、異国育ちには簡単に太刀打ちできるものではない、というか。いろいろ複雑な思いを抱いたものですが。その当時、1970年代半ばくらいの個人的な思い出が、このジェイソン・ムラーズの新作聞いていたらよみがえってきました。懐かしい。
マール・ハガードやジョン・ハートフォードも歌っていた「ターン・ユア・レディオ・オン」、前述したジョニー・キャッシュの『ザ・ホーリー・ランド』で知ったカール・パーキンス作品「ダディ・サング・ベース」、エルヴィスも歌っていたスチュアート・ハンブレンの「イット・イズ・ノー・シークレット」、やはりエルヴィスやマーティ・ロビンスも取り上げていた「夕べの祈り(An Evening Prayer)」、『天使にラブ・ソングを2』でもローリン・ヒルとタニア・ブラントがデュエットしていた「一羽の雀(His Eye Is on the Sparrow)」、ジョージ・ジョーンズ、ロレッタ・リン、マール・ハガード、ウィリー・ネルソン、ジム・リーヴズ、ジョニー・キャッシュ&ジューン・カーター、テネシー・アーニー・フォードなど多くが取り上げている「丘に立てるあらげずりの(Old Rugged Cross)」、これまたジョニー・キャッシュ、カーター・ファミリー、ジム・リーヴズなどからアリサ・フランクリンまで、多彩なヴァージョンがある「生命は永遠に(Never Grow Old)」、テネシー・アーニー・フォードが自身のテレビ・ショーのエンディングに歌っていた「神、ともにいまして(God Be With You)」など。サザン・ゴスペルを中心にしたカヴァー8曲にムラーズ作の2曲を加えた全10曲。
彼らにとっては知らず知らずのうちに身体にしみこんでいるルーツ音楽ってことなんだろう。フィジカルは来月発売みたいです。

