Disc Review

One of These Nights (Deluxe Edition) / Eagles (Rhino/Warner)

呪われた夜(デラックス・エディション)/イーグルス

1976年2月の初来日公演をはじめ東京で何度か、あとマウイでも一回、いろんな時代にイーグルスのライヴを楽しませてもらってきて。歌もいいし、演奏もいいし、コーラスも完璧だし。毎度ものすごく充実した気分で盛り上がったものだけれど。唯一、バーニー・レドン入りの初期ラインアップでのライヴを見ることができなかったことが心残りで。

そんな残念な思いを慰めてくれる、というか。いやいや、悔しさを倍増しにしてくれる、というか。そんなデラックス・エディションの登場です。

イーグルスに初のグラミー賞をもたらし、その後4作連続で全米1位を記録することになる快進撃の先駆けとなった1975年の傑作オリジナル・アルバム『呪われた夜(One of These Nights)』の拡張版。ご存じの通り、このアルバムがバーニー・レドン入りのラインアップによる最後の1枚だったわけだけれど。

今回の再発は3CD+ブルーレイという4枚組仕様で。CD1がビル・シムジクのプロデュースによるオリジナル・アルバムの最新リマスター。つーか、これ、米ライノのプレスリリースによると“ニュー・ミックス”と書かれていて。でも、日本のワーナーのほうは“リマスター”と言っていて。どっちが正しいのか、まだちゃんと聞き比べていないのでよくわかりませんが。どっちにしてもいい音に仕上がってます。うれしいです。が、今回のメインはCD2と3のほうで。これが1975年9月28日、米カリフォルニアのアナハイム・スタジアムで開催された《サンシャイン・フェスティヴァル》での未発表ライヴ音源なのでした。

リンダ・ロンシュタット、ジャクソン・ブラウン、トゥーツ&ザ・メイタルズらとともに出演したときの記録。でも、イーグルスだけでメドレーも含めてたっぷり全16曲を演奏していて。しかも、これがバーニー・レドン入りのラインアップによる最後のパフォーマンスだったそうで。やばい。

メンバーはバーニー・レドン、グレン・フライ、ドン・ヘンリー、ランディ・マイズナーという創設メンバー4人にドン・フェルダーが途中加入した最強の初期クインテット。この顔ぶれでファーストから『呪われた夜』までの初期4作からの曲をたっぷり聞かせてくれて。

最後には、この後ほどなくバーニー・レドンに代わって後任ギタリストに正式就任することになるジョー・ウォルシュも登場。「ロッキー・マウンテン・ウェイ」を披露する。当時のライヴの定番曲だったチャック・ベリー「キャロル」のカヴァーも今回オフィシャルに初音盤化されていて。そういう意味ではレドン抜き、ウォルシュ入りの新ラインアップで実現した翌76年の来日公演とほぼ同じ構成。そういう意味でも感涙ポイントの多いライヴ音源ではあります。

でも、日本では聞くことができなかった「オール55」が入っていたり、レドンの必殺ストリング・ベンダー・プレイ炸裂の「テイク・イット・イージー」が聞けたり…。やっぱりこの最強ラインアップでのライヴを一度は生体験したかったなぁ、という思いがいや増すばかり。

ここでももちろん演奏も歌もコーラスも完璧。すごいバンドでした。いや、まあ、オリジナル・メンバーがドン・ヘンリーひとりになった今なお、何度目かの再結成を経たイーグルスは活動中なわけで。過去形で語ったら怒られるかもしれませんが。でも、やっぱりここがバンドとしてのピークだった気がする。『ホテル・カリフォルニア』からはまた別バンドって感じもしなくはないし…。

で、ディスク4にあたるブルーレイにはCD1〜3の全音源のドルビー・アトモス版とハイレゾ版が詰め込まれております。今回の再発全体のプロデュースはドン・ヘンリー。エンジニアリングはロブ・ジェイコブズです。

ちなみに、アルバム・ジャケットはなかなか手の込んだエンボス仕様になっていて。質感もすごくいいんだけど。国内盤が収められているビニール袋のノリの部分がジャケットに付くと表面が剝がれやすいです。ぼくのはちょびっと剝がれました。気をつけてね。

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