
NBPファイル vol.139:追悼ウェイン・モス
今週の月曜日、4月20日の夜は、CRTでニール・セダカ追悼ナイトでした。ロック・カフェLOFTに集まってくださった満員のお客さまとともに、今年2月に亡くなったセダカさんが紡ぎ出し続けてくれた珠玉のポップ・ミュージックを、めいっぱいの感謝とともにたくさん味わい直しました。
ニール・セダカというと、特に日本では1950年代末から60年代初頭にかけての♪ダン・ドゥビ…系オールディーズ・ヒットのことしか語られないのだけれど。60年代後半から70年代、さらには21世紀になってもなお、C→Am→F→Gの呪縛から解き放たれた、洗練の極みみたいな名曲をたくさん残していて。そのあたりもみなさんとたくさん分かち合えてうれしかったです。
セダカさんが亡くなったとき、本ブログでも追悼プレイリスト、編みました。
ストリーミングされてない名曲も多く、もっともっといい曲あるのに…という思いもぬぐいきれず。もっとちゃんと整理された形で過去の名作が再発/配信されてほしいなと願うばかりです。
とか思っていたら、3月にはオーギー・メイヤーズの訃報が届いたり。つい先日、4月19日にはデイヴ・メイソンも亡くなった。まあ、みなさんキャリア軽く半世紀超えのベテランだから。最期まで元気にがんばってくれたんだなぁ…という感じではあります。心から感謝します。
特にデイヴ・メイソンに関してはいろいろなところで多くのロック・ファンから追悼のメッセージが表明されていて。その存在が日本でもじんわり、しかししっかりとシーンに浸透していたことを改めて思い知らされて泣けてきますが。メイソンが亡くなった直後にもまたひとつ悲しい報せが届きました。4月20日、ウェイン・モスが他界。享年88。
ナッシュヴィルを本拠に、1950年代末から活躍してきたセッション・ギタリスト、ベーシスト、プロデューサー、レコーディング・エンジニア。ケニー・バットリー、チャーリー・マッコイらとご存じ、エリア・コード615というミュージシャン集団を作って、ナッシュヴィルのシンデレラ・スタジオのハウス・ミュージシャンとして大活躍してきた人です。去年亡くなった徳武弘文さんともよくこの人の話で盛り上がったっけ。懐かしい…。
彼がさまざまな形でサポートしたミュージシャンというと、トミー・ロウ、コニー・フランシス、ロイ・オービソン、ボブ・ディラン、ジョー・サイモン、ファッツ・ドミノ、エヴァリー・ブラザーズ、クリス・クリストオファソン、カール・パーキンス、ナンシー・シナトラ、パッツィ・クライン、ウェイロン・ジェニングズ、ロレッタ・リン、チャーリー・プライド、ジョーン・バエズ、スティーヴ・ミラー・バンド、リンダ・ロンシュタット、ドリー・パートン、ブレンダ・リーなど、それこそ無数。三宅伸治の『615』ってアルバムでのプレイも思い出深いなぁ。
というわけで、彼の場合、ベース弾いていたり、場合によってはキーボードやっていたり、エンジニアしていたり、プロデュースしていたり、いろいろなのだけれど。今日はウェイン・モスがギターをプレイしている膨大な曲の中からぼくが好きなものをほんの一握りではありますが、ピックアップした追悼セレクション、作ってみました。
彼が初めてセッション・ギタリストとして参加したというトミー・ロウの「シーラ」も入れようかなと思ったのだけれど、あれはジェリー・リードと一緒にジャンジャカ・ジャンジャカ、リズム刻んでいるだけなので、あえて外して。自身が率いていたベアフット・ジェリーの曲で前後を挟んでの12曲。
こういう鉄壁の職人がいたからこそ、アメリカの南部からはごきげんなポップ・ミュージックが次々生まれてきたのだよなぁ、と。そんな感謝の念を改めて伝えたいと思います。ありがとう、ウェイン・モス。安らかに。
RIP Wayne Moss, Great Nashville Cat
- Watchin' TV (With the Radio On) / Barefoot Jerry (1974)
- I Want You / Bob Dylan (1966)
- Tokin's / Steve Miller Band (1970)
- The Chokin' Kind / Joe Simon (1969)
- I Got a Rocket in My Pocket / Stan Beaver (1963)
- Russian Red / Area Code 615 (1970)
- Only Daddy That'll Walk the Line / Waylon Jennings (1968)
- Oh, Pretty Woman / Roy Orbison (1965)
- Help Me Now / Jerry Jeff Walker (1969)
- Four Strong Winds / Bobby Bare (1964)
- Bye Bye Love / Arthur Alexander (1969)
- Smokies / Barefoot Jerry (1971)


