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Disc Review

Dreamers Are Waiting / Crowded House (Lester Records/EMI Australia)

ドリーマーズ・アー・ウェイティング/クラウデッド・ハウス

2007年に再結成アルバム『タイム・オン・アース』が出たときは、なんだかうれしかったなー。クラウデッド・ハウス。ニール・フィンとニック・シーモアはそのまま、亡くなったポール・ヘスターの不在をいろいろな形で埋めながら、オリジナル活動期の味と、当時のコンテンポラリーな感触とを、実にいい塩梅に交錯させた1枚を作り上げてくれた感じで。

その後、2010年にもう1枚、再結成アルバム第2弾をリリースして。で、今回。というか、去年、10年ぶりのシングル「ホワットエヴァー・ユー・ウォント」がリリースされて。これまたうれしかった。もしかしたら『タイム・オン・アース』のとき以上。え、またやってくれるの? と、大いにうれしく思ったものだ。ニール・フィンは2018年、フリートウッド・マックのツアーに参加していたけれど、そのときの経験が彼のバンド熱にまた火をつけたのかも。

その流れでアルバムも出ました。それが本盤。パンデミックに突入する前、2019年にベーシックなレコーディングは終えていて、その後、2020年のパンデミック下、リモートでファイルをメンバー間でやりとりしながら仕上げが行なわれたとのこと。現在のクラウデッド・ハウスのラインアップは、ニール・フィン、ニック・シーモアに加えて、オリジナル活動期から密接にコラボしてきたミッチェル・フルーム、そして2007年以降の再結成ツアーにも参加してきたニール・フィンの息子二人、リアムとエルロイという5人編成。

まあ、一時期、クラウデッド・ハウスはニールとティムのフィン・ブラザーズと同義、みたいな。そういう時期もあったので、兄弟バンドから今度は父子鷹バンドへ…ってことかも。奥さまのシャロン・フィンがコーラスで参加していたこともあるし。ファミリー・バンドとしての再構築という物語をニール・フィンは今、描きつつあるのかな。

内容はとってもいいです。リアム・フィン中心に作られたと思われる楽曲も2曲あるし、ニール&ティムのフィン兄弟作品も1曲。現在のバンド・メンバー全員の名前がソングライターとしてクレジットされた曲もある。けど、基本はニール・フィン作の楽曲で構成されていて。やっぱりいいです。ニール・フィン、いいソングライターだなと改めて思う。歌詞的にはけっこう辛辣なテーマも扱っているようだけれど、それをそのまま表出するのではなく、巧みにポップな皮層に包み込みながら編み上げているのはいつものクラウデッド・ハウス流だ。お見事。

とにかく、今回のミッチェル・フルームの加入、および息子二人、特にリアム・フィンの加入というのが、現在の再結成クラウデッド・ハウスを単なるノスタルジックなプロジェクトに終わらせない大きな要因になっているようで。面白い。懐かしくもあり、新鮮でもある。今のクラウデッド・ハウス、いいバンドです。

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