
メロディ・ボーイ/アンディ・クロフツ
ポール・ウェラー・バンドのメンバーとして長年活動してきたこととか、自らもザ・ムーンズというサイケ・ポップ・バンドを率いてきたこととか、フランスのバンド、ル・シュペールオマールとコラボしたこととか、あれやこれやおなじみのマルチ・インストゥルメンタリスト、アンディ・クロフツ。初ソロ・アルバムが8月に出ました。
チェンバー系インディ・ポップ…って感じかな。時代とともに“いいメロディ”という価値基準は移り変わっていくわけだけれど。そういう時代性を超えた、エヴァーグリーンな“いいメロディ”ってのもあって。長年のキャリアの中、そういう感覚を体得している人だな、という感じ。
6月くらいに、キャッチーなメロに載せて“デジタル社会が絶え間なく垂れ流すノイズの洪水から逃れよう”とメッセージする先行シングル「ドント・シンク」が出て。ぼくのようなお古い世代のポップ・ファンが聞いてもぐっとくるメロディ・センスに、こりゃいいや、と盛り上がり。その前に出ていたという「ブルー」ってシングルも楽しみながら、アルバムの登場待ちわびておりました。
なんでも子供のころからビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ジャクソン5、そしてバディ・ホリーが好きで。そういうアーティストが自身のメロディの基礎を築いてくれたと語るクロフツさん。以降、パンクやソウル、インディ・ロック、ワールド・ミュージックなどの波をくぐり抜けつつ、自分なりのポップ・テイストを構築してきた、と。
洗練された控えめなアレンジ、温かみのあるアナログの質感、さりげないコーラス・ハーモニーのふくよかさ、そして天性のメロディ・センスが描き出す彩り。派手さはないけれど、噛めば噛むほど味が出るいい曲ぞろい。個人的には「ヒューマン・タッチ」って曲がお気に入り。
ポール・ウェラーが重用したのもむべなるかな、的な?
