Disc Review

Electric Love / Brother Wallace (ATO Records)

エレクトリック・ラヴ/ブラザー・ウォレス

ゴスペルとかの世界ではかなりの知名度を誇る人なのだとか。ブラザー・ウォレス。ジョージア州ウェストポイント育ちのシンガー、ピアニスト、そしてソウル・リヴァイヴァリスト…と紹介されている人だけれど。

幼いころから音楽に親しみ、6歳で本格的にピアノも始めて、11歳からは教会でも弾くようになって、14歳のころには100人の合唱団を指揮していたという。その後、音楽教師になったり。なんとカーク・フランクリンとマディソン・スクエア・ガーデンのステージに立ったり。

そんなウォレスさんが10年以上前、偶然、運命の出会いを果たしたというザ・ヘヴィーのダニエル・テイラーのプロデュースの下、ついに正式にアルバム・デビュー! と。そういう1枚です。ヘヴィーとのコラボということもあってか、レコーディングはイギリスで。ピーター・ゲイブリエルのリアル・ワールド・スタジオで行われている。曲作りも全曲、ウォレス&テイラーの共作。

教会育ちのスピリチュアルで伝染性の高いエネルギーをたたえながらも、基本、説教臭さはなく。ポップでファンキー。パンチが効いてるというか。レトロ・ソウル・リヴァイヴァルの流れと捉えることもできそうだけれど、もうちょい本物感があって。

歌詞はあまり深く把握できていないけれど、けっこう自伝的な側面も盛り込まれているような…。ぼんやり聞いていても、ストーリーテラーとしての説得力のようなものがなんとなく伝わってくるから、なかなかだ。ホーンがグルーヴするファンキーものあり、伝統的なリフをともなったポップR&Bあり、ピアノ主導のバラードあり、聞いていてじんわり浄化されるようなゴスペル系の曲あり。アップテンポものでもどこか悲しみがにじむあたり、非凡な感触か。

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ATO Records
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