Disc Review

Live at Levon's! / Larry Campbell, Teresa Williams (Royal Potato Family)

ライヴ・アット・リヴォンズ!/ラリー・キャンベル&テレサ・ウィリアムス

ボブ・ディランの東京公演、チケットもゲットしたし。あとはちゃんと来てくれることをワクワク待つばかり。でも、チケット代、バカになりません。やんなっちゃうなぁ。お仕事、がんばらなくっちゃー。

今度の日曜日、2月16日に東京/新宿ロック・カフェLOFTで開催する久々の有観客CRT『~祝・CRT再始動! ~ 転がるディランに苔のむすまで!の巻』で、来日に向けての心構えとか、最新ブートレッグ・シリーズのこととか、今後のリリース予測とか。いろいろみんなで話し合って盛り上がりましょう。

1978年の初来日以来、ディランの日本公演を何度も見てきた。トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズをバックに従えてやってきた1986年の武道館もかっこよかったけれど、いちばん印象深かったのは1994年、“ネヴァー・エンディング・ツアー”と銘打っての公演としては初となる来日のときかな。

1曲ごと、ディランがひとしきり歌い終えるたびに、曲のコード進行をアタマからなぞりながらコードひとつひとつをガーン! ガーン! と順番に打ち伸ばしていく意味不明なアレンジが施されていて(笑)。最初のうちはどうなってるんだか、もうワケがわからず。戸惑うばかり。でも、途中でようやくやってることの意味がわかって。ウケた。笑った。いやー、ディランすげえな、たまらないな、と大いに盛り上がったものだ。

その次の来日、2001年の東京国際フォーラムAでのパフォーマンスもかっこよかった。チャーリー・セクストンが新加入したネヴァー・エンディング・ツアー・バンドを率いてディランがギターを弾きまくった最後の来日公演。このときのバンド、チャリ坊のほかラリー・キャンベル(ギター、マンドリン、ペダル・スティール)、トニー・ガーニエ(ベース)、デヴィッド・ケンパー(ドラム)というラインアップがぼくはかなり好きだった。

と、そんな2001年の来日の際にディランをバックアップしていたひとり、ラリー・キャンベルの新作アルバムが出ました。

2019年9月、キャンベルはデュオ・パートナーであり奥さまでもあるテレサ・ウィリアムスとともに彼らの第二の故郷とも言うべきニューヨーク州ウッドストックへ。“ザ・バーン”としておなじみ、かつてのバンマスでもあったリヴォン・ヘルムが所有していたスタジオで2回のソールド・アウト・コンサートを行なったのだけれど。そのときの模様を記録したライヴ・アルバムだ。

ラリー&テレサとしては3作目? 多彩なゲストを迎えるAmazonシリーズの『イット・ワズ・ザ・ミュージック』のサントラとか、イタリアで去年出た2018年のライヴ盤とかもあるので、どう数えればいいのかよくわからないな。過去作にはリヴォン・ヘルムがリヴォン・バンドの面々とともに参加してドラムを叩いたりしていたけれど、他界してしまったこともあって、今回は“場”の力を借りての1枚ということか。

“あのスタジオの木の壁にはマジックがある。パフォーマーとオーディエンスの間にも距離がなく、本当に快適な環境なんだ。あそこで行なわれるイベントはすべて、上下関係も、プレッシャーも、抑制しようとするものもない。完全なる共同体験だ。音楽を作るうえで、あらゆる利点を享受できる素晴らしい場所さ”

ラリー・キャンベルはリヴォン・ヘルム・スタジオについてそんなふうに語っている。なるほど。ぼくは行ったことがないけれど、佐野元春のアルバム『ザ・バーン』のレコーディングに同行して、そのスタジオで寝泊まりしたことがあるノージから話だけはいろいろ聞いたっけ。そういえば、キャンベルも参加していたリヴォン・ヘルムとメイヴィス・ステイプルズの共演ライヴ・アルバム『キャリー・ミー・ホーム』もそのスタジオで録音された素晴らしい1枚だった。

リヴォン・ヘルム・バンド仲間でもあったザ・ウェイト・バンドのブライアン・ミッチェル(キーボード)をはじめ、ジャスティン・ギップ(ドラム)、ジェシ・マーフィー(ベース、チューバ)がバックアップ。カントリー、ジャンプ・ブルース、ケイジャン、ロック、ソウル、ジャズなど多彩な音楽性を躍動的に行き来しつつ、カヴァーありオリジナルありの全12曲が収められている。

アコギとチューバを中心にごきげんにバックアップしたレヴランド・ゲイリー・デイヴィスの「レット・アス・ゲット・トゥゲザー」のカヴァーで始まり、キャンベル作の「サレンダー・トゥ・ラヴ」、ルイ・プリマの「イエー・イエー・イエー」、ヨーマ・コーコネンとキャンベルが共作した未発表曲「エンジェル・オヴ・ダークネス」、ラヴィン・スプーンフルの「ダーリン・ビー・ホーム・スーン」、アール・スクラッグスの「アイ・エイント・ゴナ・ワーク・トゥモロウ」、ロレッタ・リンの「サクセス」、デューク・エリントンの「キャラヴァン」、ウィリアム・ベルとキャンベルの共作「ホエン・アイ・ストップ・ラヴィング・ユー」、ビル・モンローの「オールド・デンジャーフィールド」、ジョニー・キャッシュの「ビッグ・リヴァー」、そしてキャンベル作の「イット・エイント・ゴナ・ビー・グッド・ナイト」まで。

なんでもこのライヴ録音をした後、キャンベルさんコロナに罹ったそうで。テレサさんと別れ別れの辛い日々を過ごしたのだとか。それもあってリリースがずいぶんと遅れてしまったようなのだけれど。やっぱ、ライヴはよいっすね。アルバム・タイトルに思わずびっくりマーク付けちゃった気持ち、わかります(笑)。

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