Disc Review

You Can Walk Across It On the Grass: The Boutique Sounds of Swinging London / Various Artists (Grapefruit/Cherry Red)

ユー・キャン・ウォーク・アクロス・イット・オン・ザ・グラス:ザ・ブティック・サウンズ・オヴ・スウィンギング・ロンドン/ヴァリアス・アーティスツ

チェリー・レッド傘下のグレイプフルーツ・レーベルが編纂する3枚組コンピレーション・ボックスってやつは、いつの間にか新たなテーマのものが出ていて、ふと見逃している隙にソールドアウトになっちゃったりしていて。油断ならないのだけれど。

またまた出ました。1月に出ていたのをすっかり見逃していて。今になってようやくゲット。あぶないあぶない。ほっとしております。

今回のテーマは1960年代後半、半世紀を経てなお各方面から憧れを抱き続けられているスウィンギング・ロンドン。アルバム・タイトルに冠されている“You Can Walk Across It on the Grass”というのは1966年4月、米TIME誌が巻頭で組んだ特集のタイトルらしい。

ファッション面でも、音楽面でも、映画とかの面でも、その時代のロンドンが当時いかにスウィングしていたか、どんなふうにポップ・カルチャー・シーンをリードしていたか…をテーマに据えた特集だったようで。この特集の数年前からすでに盛り上がりつつあったロンドンのローカルな熱気が、この特集を契機に世界的な現象へと押し上げられたのだとか。

というわけで、1960年代後半のカーナビー・ストリートとキングス・ロードを彩ったモッズたち御用達のR&B、ソウル、ブルース・ロック、ガールグループ・ポップ、さらには当時のカルト的なテレビや映画のテーマ曲などを満載した3枚組。

ザ・フー、キンクス、デヴィッド・ボウイ、トム・ジョーンズ、ムーディー・ブルース、ヤードバーズ、スモール・フェイセズ、ダスティ・スプリングフィールドといった有名どころから、ジョージー・フェイム、アニマルズ、マンフレッド・マン、デイヴ・ディー・グループ、ペトゥラ・クラークあたりのいい感じの顔ぶれを経て、アクション、トニー・リヴァース、オデッセイ、レス&ポール・バレット、ジミー・ジェイムス&ザ・ヴァガボンズなど細かいところまで。

“時代”という視点で切り取られた多彩な音がごった煮に詰まった時代のサウンドトラック的な? そういう躍動的なコンピレーションです。ミニスカの女王、ツイッギーとか入っているのも懐かしい。うれしいっす。

サブスクのストリーミングもされてはいるけれど、いつものグレイプフルーツもの同様、思いきり曲数が削られてます。ストリーミングだと全44曲、1時間50分。まあ、十分に長いっちゃ長いものの。フィジカルのほうは全93曲、3時間56分。スウィンギング・ロンドンの素晴らしい写真が掲載された48ページのブックレット付きだし。断然こっちでしょ。ブツをゲットすべし!

Resent Posts

-Disc Review
-, , ,