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Disc Review

Don’t Wait Too Long / Paul Carrack & The SWR Big Band (Carrack-UK)

ドント・ウェイト・トゥー・ロング/ポール・キャラック&ザ・SWRビッグ・バンド

また訃報ですねぇ。年末に最新ライヴ盤を紹介したばかりだったデヴィッド・クロスビー。長い闘病の後、家族に見守られながらの他界だったようです。享年81。どうぞ安らかに。

2015年のCSNでの来日が彼のパフォーマンスを生で見ることができた最後の機会ってことになってしまったなぁ。ぼくが多感なころにたくさんの影響を与えてくれたミュージシャンたちが年齢的にみんなそういう、なんというか、あがた森魚さんの言葉を借りて言えば“お年頃”になってきていて。もちろんそれは仕方ないことなのだけれど。こうなると、その世代のミュージシャンが来日してくれるのであれば、できる限りコンサートに足を運びたいなという気持ちになる。受けたたくさんの恩を精一杯のアプローズに換えてお返ししたい、的な?

今年はベテランの来日が相次いで予定されていて。ぼくもジャクソン・ブラウンとかドゥービー・ブラザーズとか、チケットをゲットして楽しみにしている。別に今回が最後になっちゃうかも…みたいな、ネガティヴな気分ではないけれど。声援でお返しができる間は何度でもお返ししたいぞ、と。ほんとそう思う。だから自分も元気でいなくちゃな、とも。

4月にはエリック・クラプトンも来ますねー。ワクチン問題でいろいろ騒がしかったし、もうワールド・ツアーはしないとか言ってたみたいだし、来日はないかなと半ばあきらめていたものの。またやってきてくれます。もちろんぼくも行きます。1974年10月31日にはじめて日本武道館で公演を行なって以来通算100回目になるという4月21日の日本武道館公演のチケット抽選に当たってワクワクなわけですが。

今回も来日メンバーが充実していて。演奏陣はネイザン・イースト、ソニー・エモリー、ドイル・ブラムホールII、クリス・ステイントン、そしてそして、おなじみポール・キャラック! まあ、キャラックさんのソロ・コーナーとしてはまた「ハウ・ロング」かなんか披露して終わりなのかもしれないけれど。でも、毎度こうしてポール・キャラックのお姿を生で体験できるのも近ごろのクラプトン来日公演の楽しみ。

と、そんなポール・キャラックの新作です。近年ちょいちょい共演しているドイツの名門ジャズ・オーケストラ、SWR(南西ドイツ放送)ビッグ・バンド(ドイツ読みだと“エス・ヴェー・エル・ビッグ・バンド”)と組んだカヴァー・プロジェクトの一環。

2年ちょっと前に本ブログでも紹介した『アナザー・サイド・オヴ・ポール・キャラック』はポピュラー・スタンダードから自作曲含むロック/ポップ・ナンバーまで多彩な楽曲をスウィンギーに歌いまくった1枚だったけれど。今回はジャズ、ブルース系が中心。アルバム・タイトル・チューン「ドント・ウェイト・トゥー・ロング」だけは2004年にマデリン・ペルーがリリースしたナンバーだけれど、あとは古い曲ばかりだ。

1920年代末に作られ、以降、フレッド・ウェアリング&ヒズ・ペンシルヴェニアンズ、モートン・ダウニー、エラ・フィッツジェラルド、ベニー・グッドマン、カウント・ベイシー、ダイナ・ショア、フランク・チャックスフィールド楽団などがこぞって取り上げてきた「変らぬ愛を(I'll Always Be in Love with You)」で始まって。

前出マデリン・ペルー作品を挟み、B.B.キングやチキン・シャックのヴァージョンでもおなじみのタンパ・レッド作品「クライン・ウォウント・ヘルプ・ユー」から、ルイ・ジョーダンやレイ・チャールズの持ち歌として知られる「ドント・レット・ザ・サン・キャッチ・ユー・クライング」(以前、キャラックさんはロイヤル・フィルとの共演でジェリー&ザ・ペースメイカーズでおなじみの同名異曲をカヴァーしていたけれど、今回はこっち)へと続いて。

以降はボビー・ブランドの「エイント・ナッシング・ユー・キャン・ドゥ」と「ジ・オンリー・シング・ミッシング・イズ・ユー」、ロイド・プライスの「クエスチョン」、ソロモン・バークの「ガット・トゥ・ゲット・ユー・オフ・マイ・マインド」、ナット・キング・コール・トリオの「フリム・フラム・ソース」、ミルドレッド・ベイリーの「トラスト・イン・ミー」、サム・クックの「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」、そしてリトル・ジュニア・パーカーの「ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」まで。

クラプトンの武道館100回目の翌日には72歳になるキャラックさんながら、いまだ衰えぬいい声で、渋く、軽やかに歌いまくっている。選曲もいいし。まじ、かっこいいです。

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