Disc Review

The Blackest Crow / Anna Nalick (Chesky Records)

ザ・ブラッケスト・クロウ/アンナ・ナリック

この人が「ブリーズ(2AM)」をヒットさせたのが2004年。もう15年も前になるのか。いやいや、月日の経つのは早い。ロサンゼルス出身の女性シンガー・ソングライター、アンナ・ナリック。全米アダルト・ポップ・チャートでトップ10入りした「ブリーズ」ほどのヒットはその後出ておらず、アルバム・リリースのタイミングも5年に1枚…みたいな、超スローペースになっていたのだけれど。

ちょっとポップ寄りになってみたり、ぐっと内省的になってみたり、いろいろと迷いながらの15年。ということもあってか、今回はカヴァーに挑戦だ。チェスキー・レコードへの移籍第一弾。

オープニングを飾る「アズ・タイム・ドローズ・ニア」は、アルバム・タイトルにもなっている“ザ・ブラッケスト・クロウ”というタイトルでもおなじみのトラディショナル。「マイ・ラフ・アンド・ラウディ・ウェイズ」はカントリーの始祖とも言われるジミー・ロジャースが1929年に発表した曲。

「サム・オヴ・ジーズ・デイズ」は1910年に作られて以来、ソフィ・タッカー、エラ・フィッツジェラルド、ブレンダ・リーなど様々なシンガーが取り上げてきたジャズ・チューン。「ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニモア」は1940年にデューク・エリントンが作った名曲。

さらにキンクスの「ウォータールー・サンセット」があって、CSNYの「ヘルプレスリー・ホーピング」があって。再び1930年代にブロードウェイで生まれたスタンダード・チューン「アイル・ビー・シーイング・ユー」を挟んで、悲劇の飛行機事故で他界後の1960年にリリースされたバディ・ホリーの「トゥルー・ラヴ・ウェイズ」、ボブ・ディラン作の「マイ・バック・ペイジズ」と続く。

そして、1950年代にナット・キング・コールが歌って有名にした「ザッツ・オール」。で、突如、ジーザス・ジョーンズの1990年作「ライト・ヒア、ライト・ナウ」にぶっとんで、ラスト、おなじみのスタンダード「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」。

幅広い世代で構成された彼女の家族からの助言なども得ながら、100年くらいのスパンからピックアップされた多彩な楽曲たち。それらをアコースティック・ギター、パーカッション、ウッドベース、チェロなどによるシンプルながら深い音像で包み込んだナチュラルな仕上がりだ。ほぼ一発録りっぽい。自らのルーツを形成している様々な曲に立ち返って、次なるステップを目指す…というか、過去に対峙することで未来まで見据えた時の流れを体感する、みたいな。そういうアルバムかも。すごくいいです。肩の力が抜けていて、なごみます。慌ただしい年末の気分のリセットによさげかも。

動画はトラッドものだけど、個人的にはジャズ系のもののほうにハマりました。よかったらそっちも試聴してみてください。

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