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Disc Review

Still Crazy After All These Years (Expanded & Remastered Edition) / Paul Simon (Rhino/Warner)

時の流れに(エクスパンデッド&リマスター・エディション)/ポール・サイモン

健'zはね、すごいことになってますよ。健一とぼくに加えて、曽我泰久くんと高田みち子さんが加わった4人編成で。先日のCRT&レココレ@ロフトプラスワンでのライヴでの楽しさを味わって、もはや無敵状態。またこの編成でライヴやることになると思いますので、今回見逃した方もぜひお楽しみに。

ついでにダディ&ザ・サーフビーツのほうもよろしくね。8月24日のクロコダイル。ぼくが全編リード・ギターという臨時編成で今回はやります。左の告知欄をぜひチェックしてください。木崎さんと宮治を迎えてのCRTも盛り上がると思いますよー。こちらは8月19日。50年代ロックンロールのごきげんなグルーヴを大音量で楽しみましょう。映像もいろいろ用意できる予定です。

それにしても、ぼくが大好きな音楽とプロ野球と。両方の業界がむちゃくちゃなことになっていて。なんだか力が抜ける。実は何度もこのホームページを更新しようと思って、両者を取り巻く状況のこととか、文句とか、かなりの量、書いたりもしたのだけれど、もうアホらしくなってきてしまって。更新をやめてばっかり。

とはいえ、特に音楽、それもCCCD問題に関してはいまだにたくさんのメールをいただいたりしているもんで。もうめんどくさいけど、ちょっとだけ、最近思ったことを書いておくと。

やっぱ、最近の話題としては iPod mini っすかね。大人気みたいで。多少はアップルの仕込みもあるだろうけど、売り切れ店も続出だとか。そりゃそうだよなぁ。どう考えたって、今後の音楽リスニング・ライフってのは、コンピュータとの整合性のもとでしか発展し得ないというか。収録時間に絶対的な制限がある従来のメディアを超える、ハードディスクのような広大なストレージ・デヴァイスを、ネットとの整合性のもと、いかに効果的に利用するかという視点からしか新たな一歩を踏み出せないのは誰の目にも明らかだったわけで。そこのところを、ポップに、かわいらしく展開してみせた iPod mini は、見事でしょう。

にもかかわらず、日本の音楽業界/レコード業界は時代の流れに逆行。新しいことを考えるのがめんどくさいからなのか、理解できなかったのか、怖かったのか、そうした新しい可能性を閉ざす方向性ばかりを打ち出して。iPod系の新世代再生デヴァイスと親和性の悪いCCCDなる邪悪なメディアを高飛車に導入。この段階で、負けですよ。

今、日本でCCCDを意地になって出し続けている数社は、実はけっこうあわててるかも。アップルが目指しているように、半分くらいの音楽ファンがiPodで音楽を楽しむようになればいいなぁ。そしたら、iPodに取り込んじゃいけないことになってるCCCDなんか、全滅ですよ。だいたい、CCCD導入したからといって売り上げが回復したって話も相変わらず聞かないし。

もちろん、その数社は、まあ、要するに意地になっているわけで。そう簡単に撤退できないとは思う。うち、外資系が2社。ソニーと東芝EMI。外資じゃないとこは、国内事情の変化に適応する形での方針変更も、意地さえ捨てればわりと容易そうではあるけど。問題は外資だな。特に洋楽にまで積極的にコピー防止策を採り入れているEMI。ここは特に、本社からの強い指示というのを導入理由に挙げているので、早期撤退はメンツ的にもむずかしいだろうなぁ。どこまで意地を張るのかな。むしろ見ものって感じだ。防止技術を、現行のCDSという最悪の方式から別の、アメリカとかで導入されているものに変更するとか、そのくらいはするのかな。いや、しないか。CDS方式による製産ラインがもうできあがっちゃってるわけで。それを替えて別方式のラインを新たに作るくらいなら、完全撤退のほうがましだろうし。だいいち、彼らはコピー防止策にいろいろな方式があること自体、知らないんだから。

そうなのだ。日本のコピー・プロテクト導入に関してもっともアホらしい点は、とんでもない技術であるCDSを、ちゃんと検証することなく、誰かの口車によってか、何らかの裏事情によってか、とにかく盲目的に採り入れちゃって、工場に製産ラインを作っちゃったことだ。CCCD登場当時、それを導入した会社の関係者にいろいろ質問をしても、誰ひとり、なぜCDS方式なのか、なぜ他の方式ではいけなかったのか…という問いに納得のいく返答をしてくれなかった。で、そのまま、製産ラインがすでにあるから後に引けず、なし崩し的にCDS方式のコピー防止盤を出し続けている、と。

CDS方式のCCCDを発売したレコード会社の人との間で何度も交わされたバカバカしい問答は――

「なぜCDS方式という、規格外の、危ないコピー防止策を採り入れたんですか?」
「違法コピーを防ぐためです」

レコード会社の人はいつもそう答えるのだけれど。これは、答えになっていないのだ。誰かこの問いに、ちゃんとした答えを出してほしい。この問いに対する答えを出せない限り……つーか、これがなぜ答えになっていないのかわからない限り、コピー防止に関して偉そうな発言はいっさいしないでほしい。答えることもできないくせに、ぼくみたいに疑問を投げかけ続ける者に対してせこい制裁措置とかしないでほしいっすよ(笑)。実害はないとはいえ、うっとうしいから。

 やー、ちょっとだけ書くつもりが長くなってしまった。鬱憤がたまってるんだろうなぁ(笑)。鬱憤っていえば、堀内。ダメだな、あの人も。原もどうかと思ったけど、堀内はもっといかん。長嶋ファンとしては、腹立たしい。先日の横浜戦、初回に8点リードされて、追いついて、逆転して、そのあと再逆転くらって負けた試合のあと、「いくら打っても負けちゃ意味がない」とか吐き捨てたようだけどさ。ざけんなっつーの。長嶋だったら「負けたけれど、ファンのみなさんは満足してくださったでしょう」って言ったよ、きっと。事実、試合としては面白かったんだから。長い長い試合だったけれど、最後まで盛り上がった。監督勇退会見の前日の広島戦、同じく初回に8点リードされて、でも松井の3打席連続ホームランとかでぐんぐん追いついて、最後村田チュウが打てば逆転かも……というところまで追い上げて、でも、結局は11対10とかで負けちゃった試合のあとも、長嶋はそう発言した。プロ野球というものがどういう存在なのか、どういうエンターテインメントなのか、どう素晴らしい文化なのか、すべてをきっちりわかった発言だったと思う。このコンセプトを理解できていないナベツネとかが、長嶋が倒れたあと一気に表面に出てきたからこその昨今のプロ野球シーンの大混乱なんだろうな。やだやだ。みなさんもぜひ合併反対、1リーグ反対の署名とか、してね。選手会の公式ホームページでできますので。

さて。無駄話はここまでにして。今回のピック・アルバムはポール・サイモン。先日の1965年の『ポール・サイモン・ソング・ブック』に続いて、今度はサンモン&ガーファンクル解散後、1972~2000年までにリリースされたすべてのスタジオ録音オリジナル・アルバム9枚が、ライノ・レコードによってリマスター再発された。とりあえず今回は大好きな75年の『時の流れに』のジャケットを掲載しましたよ。全盤、数曲ずつデモ録音、未発表音源、ライヴ音源などをボーナス収録したエクスパンデッド仕様で。UK/ヨーロッパ盤はプラ・ケース入り。US盤はデジパック。US盤全9枚を一箱に収めたボックスもある。箱買いがいちばんリーズナブルかなとも思うけど、近作はもともとそれなりの音質でCDでリリースされたものだから、ボーナスにこだわらなければバラ買いでもOKか、と。特に最初の2枚、72年の『ポール・サイモン』と73年の『ひとりごと』の音質はぐっと良くなってるし。

ただ、ボーナスもいいですよー。公式ヴァージョンとは大幅に違う「ダンカン」や、ちょっとの違いにも胸躍る「ぼくとフリオと校庭で」の弾き語りデモとか。ベースだけをバックに展開する別アレンジの「シューズにダイアモンド」の未発表ヴァージョンとか。新鮮な発見だらけ。ただし、オリジナル・アルバム単位での再発にこだわったせいか、ベスト盤で初お目見えしたシングル曲「スリップ・スライディン・アウェイ」がどこにも入っていない。デモ・ヴァージョンだけはボーナス収録されているのに。かつて同じベスト盤で初お目見えしたもうひとつの新曲「ストランデッド・イン・ア・リムジン」のほうは今回ボーナス収録されたのに。その辺がちょっと残念か。9枚入りボックスのタイトルが“The Studio Recordings 1972-2000”。全スタジオ音源が入っているような気がしていたので肩すかし気味だが。まあ、いいや。「スリップ・スライディン…」はベストで補完しましょう。

いまだに、エスニック系の音楽要素を搾取したのナンのとこの人を毛嫌いするリスナーもいるようだけれど。この人の本質は鉄壁のニューヨーク派ならではの持ち味。最近、ベストが出た70年代のディオンあたりと通じる、当時のマンハッタン風味のようなものが再評価されるといいなと願います。

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