Disc Review

Run Home Slow / The Teskey Brothers (Glassnote Music)

ラン・ホーム・スロウ/ザ・テスキー・ブラザーズ

ジョシュ(ヴォーカル&ギター)とサム(リード・ギター)のテスキー兄弟に、リアム・ゴフ(ドラム)とブレンダン・ラヴ(ベース)が加わったオーストラリアの4人組ブルー・アイド・ソウル・バンド。去年、フジロックで来日も果たした彼らが、2017年のデビュー・アルバム『ハーフ・マイル・ハーヴェスト』に続く待望のセカンド・アルバムをリリースした。6月くらいから本ブログでも楽しみにしてましたが、ようやく出ました!

DBMA
Brand New Tracks From Various Artists (06/25/2019 ver.)

デヴェンドラ・バンハート、クコ、テスキー・ブラザーズ、キャロライン・ポラチェックなど… 今朝は珍しく午前中からみっちりお仕事が入ってしまっていて、けっこう慌ただしいので、軽いブログ更新。まだアルバムが ...

このバンド最大の魅力は、もう何と言っても南半球の白人さんとは思えぬジョシュ・テスキーのソウルフルな歌声だろう。時にヴァン・モリソンのようであり、ロッド・スチュワートのようであり、レイ・ラモンターニュのようであり、サウスサイド・ジョニーのようであり…。オーティス、O.V.ライト、ジェイムス・カー、ソロモン・バーク、ウィルソン・ピケット、パーシー・スレッジといった60年代の米ソウル歌手への熱い敬愛が横溢している。

もちろん声だけでなく、曲もいい。けっしてやり過ぎることのないアレンジも好感度たっぷり。マイケル・キワヌーカ、ディヴェンドラ・ヴァンハート、ハレイ・フォー・ザ・リフ・ラフ、セント・ポール&ザ・ブロークン・ボーンズ、アンドリュー・バードらとの仕事で知られるポール・バトラーがオーストラリアに出向いてプロデュースしただけのことはある。あえてアナログ・マルチ・テープでレコーディングされたという録音方法もばっちり。60年代にメンフィスでレコーディングされながらお蔵入りしていた未発表音源が倉庫で発見された、みたいな(笑)。そんな感触すらあったりして。

とはいえ、単なるレトロなソウル・アルバムに終わっていないところがまたかっこいい。もちろん、冒頭を渋く飾るミディアム・シャッフル「レット・ミー・レット・ユー・ダウン」や、必殺の三連バラード「キャリー・ユー」、まるっきりオーティスとサム・クックにジョシュがチャネリングしているかのような「レイン」といった、もう超ストレートにサザン・ソウル的な音像に突撃を仕掛けた曲もあって。スティーヴ・クロッパーばりのギターや、サポート・メンバーのオラフ・スコットによるハモンド・オルガンを従えてソウルフルな歌心を炸裂させるジョシュの魅力を堪能できるのだけれど。

それだけでなく、前半、リズム以外はほぼアカペラで進行するゴスペル調の楽曲ながら、途中一瞬なんともサイケかつドリーミーな展開が待ち受けていたりする「ホールド・ミー」とか、ストリングスやホーンを効果的にあしらったキャッチーな「ソー・コート・アップ」とか、初期ピンク・フロイドみたいな感触のサウンドに乗せてジョー・コッカーがシャウトしているそのバックでウィリー・ミッチェルがアレンジしたホーン・セクションが舞っているかのような「ペイント・マイ・ハート」とか、口笛の響きも切ないグッド・タイム・ミュージックふうの「サンシャイン・ベイビー」とか、どこか60年代サンシャイン・ポップふうの「サン・カム・イーズ・ミー・イン」とか…。

なんだか面白い合わせ技感覚の楽曲に胸が躍る。ペダル・スティールが効果的に使われたラストの「ザット・バード」とかも、なかなか油断ならない。これからも、すくすく柔軟なソウル愛を深めていってほしいものです。

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