Disc Review

Begin Again / Norah Jones (Blue Note)

2019.04.15

BeginAgain

ビギン・アゲイン/ノラ・ジョーンズ

ノラ・ジョーンズの新作。間にライヴDVDとかは出ていたものの、スタジオ・アルバムとしては2016年の『デイ・ブレイクス』以来か。といっても、今回は7曲入りという微妙な曲数で。このところしばらく続いていた“#songofthemoment”(ソング・オヴ・ザ・モーメント)と名付けられたレコーディング・セッション・シリーズで録音された音源で構成された、まあ、ある種の企画盤みたいな感じ。

あ、いや、その辺、若干ややこしく。“#songofthemoment”というシリーズは、ちょっとしたアイデアを録音したヴォイス・メモだけを起点に、何のプレッシャーも受けず、ジャンルの境界線も設定せず、気の合う友人たちと、ひたすらクリエイティヴな作業に没頭しながら、しかしあまり時間をかけず、1日か、せいぜい3日くらいで気の向くまま音楽を作る純粋な喜びにひたる…というコンセプトのものらしく。そういう意味では、企画性とかを設定しないという企画、みたいな…(笑)。

このシリーズからは去年すでに4曲が配信ずみ。ダヴマン名義でのソロ・プロジェクトでもおなじみのトーマス・バートレットとコラボした「マイ・ハート・イズ・フル」、ロニー・スコッツでのライヴDVDでも共演していたブライアン・ブレイド(ドラム)とクリストファー・トーマス(ベース)らジャズ系の名手と共演した「イット・ワズ・ユー」、ウィルコのジェフ・トゥイーディーとタッグを組んだ「ア・ソング・ウィズ・ノー・ネーム」と「ウインタータイム」。そこに未発表のままだった3曲(ブライアン・ブレイド&クリス・トーマスらと組んだアルバム表題曲「ビギン・アゲイン」と「ジャスト・ア・リトル・ビット」、トーマス・バートレットとの「アー・オー」)を加えた内容だ。

というわけで、ざっくり言うとエレクトロニック系、オルタナ・フォーク系、ジャズ〜ソウル系という3種の音世界が共演者ごとに混在する1枚。まあ、これまでも多くの幅広いジャンルの共演者とコラボして、そのつど柔軟に共演者寄りの色合いに染まったり、自身の持ち味をきっちり主張したり、天性のバランス感覚で絶妙な立ち位置を確保してきたノラさんではあるけれど。今回は企画の趣旨通り、余計な気遣いがいっさいないようで。自由度は高い。

そのぶん地味なのも事実だけど、おかげでじわじわ、長く飽きずに付き合えそうな予感も…。

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