Disc Review

Bible Belt / Diane Birch (S-Curve)

バイブル・ベルト/ダイアン・バーチ

訃報ばっかりで…。

大きな時代の変わり目が来ているってことかな。世紀が本格的に変わるのに10年かかるって話もあって。そういう意味では、20世紀がとうとう終わった、と。マイケル、ファラ、ジェイ・ベネット、ボブ・ボーグル、ケニー・ランキン、バリー・ベケット…。r.i.p.

20世紀は終わっても、20世紀の遺産は今も生き続けています。萩原祐子に教えてもらった新人シンガー・ソングライター、ダイアン・バーチ。もう輸入盤屋さんでは大いに盛り上がっているようですが。ローラ・ニーロ、キャロル・キング、カーリー・サイモン、フィービ・スノウ、スティーヴィ・ニックス、カーペンターズなどなど、60~70年代の偉大なアーティストたちを想起させる要素がアルバムのそこかしこにちりばめられていて。おじさんの涙腺がゆるみます。エルトン・ジョンっぽい曲もあります。いいもの教えてもらいました。

牧師の娘さんだとかで。ミシガン生まれながら、世界各国を転々としてきたらしい。それゆえ、古き良きアメリカの遺産のようなものに冷静なまなざしで素直に対することができたのかもしれない。アルバム・タイトルも含め、どういう宗教観/人生観を持った人なのか、微妙なところだけれど。その辺はおいおい聞き込んでみようかな。わかりやすく敬虔な思いを託した「フォーギヴネス」なんて曲もあって。アレサ・フランクリンあたりに通じるゴスペル感覚も炸裂している。

まだまだ“薄い”面もないわけじゃないけれど、ソウル・クイーン、ベティ・ライトをはじめ、興味深いスタッフ陣がかっちりバックアップ。今後が楽しみな個性です。

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