
ロング・ウェイ・ラウンド/ マヤ・デライラ
本ブログでは何度か同じようなことを書いてきたのだけれど。ほんと、最近女の子のギタリストがかっこよくて。
5月に初フル・アルバムが出るらしいメイ・シモネスとか、ほんと最高だし。来日公演もごきげんだったグレイス・バワーズもかっこいいし。ロージー・フレイター=テイラーもしびれるし。ソロはとらないけどレイヴェイのコード・プレイも好きだなぁ。あと、マリン・ブラッドリーとか、ラーキン・ポーとか…。
日本でも竹内アンナ、Rei、弓木英梨乃、塩塚モエカなど、好きな女の子ギタリストは多数。
でもって、この人も。イギリスのシンガー・ソングライター/ギタリスト、マヤ・デライラさん。 2022年、22歳のときにブルーノートと契約しリリースしたデビュー・シングル「プリティ・フェイス」とか、同じ年に出たコンピ『ブルーノート・リ:イマジンドⅡ』で披露していたニール・ヤングの「ハーヴェスト・ムーン」のカヴァーとかを聞いて“おっ!?”と思った方も多いのでは? ぼくもそのひとり。
そんな彼女のデビュー・フル・アルバムがついに登場です。マヤさんの音楽性を“ノラ・ジョーンズ・ミーツ・エリック・クラプトン”とか表現する人もいるみたいだけど。ジョン・メイヤーの女の子版みたいな感じのような。もっとストレートに今どきのトム・ミッシュとかからの影響も強いかも。
とにかく、若さと裏腹に渋くオーソドックスな歌心をたたえたヴォーカルとギターを聞かせてくれる個性です。ピックではなく、右手の親指、人差し指、中指を絶妙に使い分けつつの指弾きってのがまた泣ける。エレクトリック・ギターのソロとかで、あえてピッキングし直さずにプリングオフとかスライドとかベンドとかでメロディの起伏を表現したりするときの表現力とか、すごくリリカルで、叙情的で。聞いていて気持ちがいい。
オーラ・ガートランドたちと結成した“FIZZ”の一員でもあるシンガー・ソングライター、マーティン・ルーク・ブラウンとか、オルガン奏者のコリー・ヘンリーとかも客演。全曲、誰かとの共作曲ではあるものの、どの曲にもマヤさんがソングライターとして関わっている。ブルージーなもの、ジャジーなもの、往年のシンガー・ソングライターっぽいフォーキーなものなど、思いの外、音楽性の広がりは多彩。
先週末から突如寒さがぶり返してきてはいるけれど、そんな中でも桜が咲き始めている道をお散歩しながら聞いていたら、なんだかちょっとあったかくなったような…。