Disc Review

When We All Fall Asleep, Where Do We Go? / Billie Eilish (Darkroom/‎Interscope)

投稿日:2019.04.04 更新日:

BEilish

ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?/ビリー・アイリッシュ

2年前に恥ずかしながら病気で入院。で、退院後はずっとリハビリ&ダイエット兼ねて、ウォーキングというか、散歩というか、毎日1時間くらい楽しくあちこちうろうろしている。でも、単に歩いているだけじゃさすがに飽きちゃうから。 iPhone で Beats 1 ラジオ聞いたり、 Apple Music で新譜とか再発とか、ニュー・リリースものを毎日1〜2枚ずつストリーミングしたりしながらうろついていて…。

とか、そんな話を以前ラジオとかでちょいちょいしたこともあって、ウォーキングの際、どんなイヤホン使ってるんですか? と、よく質問される。いや、それほど意外なものを使っているわけじゃなく。特筆すべきものはないのだけれど。せっかくなので、とりあえず軽くご紹介しておくと——

いちばん気に入っているのは Bose のワイヤレス・ノイズ・キャンセリング・イヤホン「QuietControl 30」。まあ、これはそこそこ値も張るので、そこそこいい音で鳴ってくれないと困るわけだけど。実際のところ、そこそこはいい音で鳴ってくれている。ノイキャンの性能もなかなか。いい感じでノイズを除去してくれる。おかげで音と音の隙間の残響のようなものまでいい感じに再現されていて。そのあたり大いに気に入っている。が、ノイキャンが効き過ぎ、除去レベルを最強に設定していると道を歩いていて後ろから来る車にまったく気がつかなかったり…。何度か轢かれそうになりました(笑)。あぶねーよ。なので、これは主に電車移動のときとか、飛行機に乗るときとかに大活躍する相棒って感じ。

ノイキャンでなく、ほぼ同等の音質を楽しませてくれる「Bose SoundSport wireless」ってのも持っていて。かなりいいんだけど、QC30に比べるとイヤーパッドがけっこうでかい。装着感は安定しているので、特に気になるわけではないとはいえ、でも、やっぱり見た目、なんだかでかい。

Beats by Dr.Dre も嫌いじゃない。「BeatsX」とか、一時よく使ったなぁ。イヤーパッドさえ自分に適した大きさのものを選べば、なかなかガッツのある音をプレゼントしてくれる。ただ、個人的な好みで言うと、ちょっと音像が平面的かも。「Powerbeats3」も使ったけど、こちらはスポーツしながら装着するのが基本みたいで、耳にかけるパーツとかがけっこうがっつりしていて大げさ。音の手応えは悪くないけど…。

で、結局、実に当たり前の選択ながら、 最人気機種、Apple の「AirPods」に落ち着いちゃったりするのでした。ぼくが持っているのは最新の第2世代じゃなく、古い、発売当初のやつだけど。散歩の友にはこれがいちばんかな。

別に音質が特にいいとか、そういうわけではないものの。特に悪くもなく。耳の穴に引っかけるだけ、みたいな、一見頼りなさげな装着感がむしろ耳を疲れさせないというか。圧迫感皆無。信号で小走りくらいしても別に落ちることもないし。耳を塞がないから、歩く衝撃みたいなものが変な形で耳に伝わってくることもないし。これに慣れちゃうと、様々な形で耳を塞ぐ他のイヤホンが軒並みうざくなってくる。それは事実。

ただ、風の強い日とか、さすがにやばい。強烈なビル風に煽られて、耳から飛んでいきそうになったことも数回。まあ、そういうときは iPhone 付属のフツーの有線イヤホン使ったりしてます。なんだよ、あれこれ書いたわりに、結局は付属イヤホンでいいんじゃん…みたいな。そういう無駄話ではありました。

で、この話が次、どこへ向かうかと言えば、これら Apple 系のイヤホン使っていると、なんというか、今どきの音像にものすごく適しているというか、そういう音楽に最適なチューニングになっているというか、いろいろ勉強になるなぁ…ということ。今日紹介する超個性派歌姫、今や各所で大注目/大人気のビリー・アイリッシュのデビュー・アルバムとか、断然 AirPods で聞くのがいいもん。真ん中へんの音域にたまった重いグルーヴがぶいぶい、適度な奥行きをともなって鳴ってくれて。強力。

ロサンゼルス出身の17歳。ぼくがこの子の歌声を初めて聞いたのは一昨年の初夏、退院したてのころ、リハビリ散歩しながら Beats 1 で「ベリーエイク」ってシングル曲を聞いたときのことだ。思わず“ラブ”を押してライブラリ登録。確かそのときは、超期待の新人として番組でインタビューにも答えていたような。13歳のときに録音したという「オーシャン・アイズ」もかかった。こりゃ若いくせにオーソドックスなメロディ感覚もきっちり押さえたうえで、同時に今どきのポップ感覚もたっぷり反映した女の子が出てきたもんだな、と盛り上がったっけ。

その年の暮れには、そのあたりの曲も含む9曲入りの『ドント・スマイル・アット・ミー』が出たので、それがデビュー・アルバムなのかと思っていたけど、そっちはEP扱い。今回出た『ホエン・ウィー・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥー・ウィー・ゴー?』が初のフル・アルバムということになるらしい。

エレクトロ・ポップやヒップホップにも目配りした深い音像と、壊れそうに儚いウィスパー・ヴォイスと、何かを訴えたげな佇まいと、ポップなファッションとのコンビネーションが実にかっこいい。ここで彼女が歌う21世紀のティーンエイジャーの心情みたいなものに、もうぼくのような、いまだ20世紀的価値観のもとで生きるしかないおぢさんが共感できるはずもないのだけれど、以前のEPなどではまだ自らの内省に向けてつぶやいているふうに聞こえていた歌声が、このアルバムではいよいよ外の世界に向けて放たれ始めたようで、そんな感触には心が躍る。

去年、サマソニで来たんだよね。まじ、見に行けばよかった…。

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