Disc Review

Live from Prudential Center, April 14 2023 / Bruce Springsteen & The E Street Band (live.brucespringsteen.net)

ライヴ・フロム・プルデンシャル・センター、2023年4月14日/ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド

ちょっといろいろ紹介したいニュー・リリースがあることはあるのですが。申し訳ない。くどく繰り返しになりますが。またまたブルース・スプリングスティーンのこと、書かせてください。

こことかこことかこことか、本ブログでもたびたび騒ぎ続けさせてもらったスプリングスティーン&Eストリート・バンド久々の北米ツアー。バンド・メンバーのコロナ感染とかでやむなく9月に延期された3月中盤の3本(オハイオ州コロムバス、コネチカット州アンカスヴィル、ニューヨーク州オルバニー)を除いて全28本。やり終えましたー。大ラスを飾ったのは4月14日、スプリングスティーンの地元、ニュージャージー州のニューアークにあるプルデンシャル・センターでの公演で。そのライヴ・レコーディングがいつもの live.brucespringsteen.net 限定でいよいよ配信スタート。地元だけに絶対何かあると確信しつつ、さっそくいつものようにロスレス音源でゲットしましたよ。

で、確かに何かありました。いきなりノッケから。いつものオープニング・チューン「ノー・サレンダー」の前に1曲付け加わっていました。

“グッド・イヴニング、ニュージャージー! 俺のホームステージに帰ってこれてうれしいぜ! 仲間と一緒にね。俺たちはここにいる。伝えたい本当のストーリーがあるんだ…”というごきげんなMCに続いて、アルバム『ラッキー・タウン』からの必殺曲「ローカル・ヒーロー」でショーはスタート。ばっちりの選曲だ。

その後は、まあ、これまでの各地のショーとほぼ同じ流れで進んでいったのだけれど。アンコールの1曲目に、やはりすごいの、来ました。“ジャージーのために特別な曲をやるよ”というMCに続いて歌われたのは、そう、トム・ウェイツ作の「ジャージー・ガール」! 来るんじゃないかとは思ってたけれど、やはり来ました。

1984年のシングル「カヴァー・ミー」のB面に収められて世に出たときからこの曲のスプリングスティーン・ヴァージョンが大好きで。1986年のアナログLP5枚組『ライヴ1975〜85』に収められてからも何度繰り返し聞いたことか。作者トム・ウェイツ版とはひと味違う、壮大なスケールを伴った郷愁に胸が震えたものだ。

特に6分に及ぶこの曲のラスト、“♪シャララ…”と繰り返すスプリングスティーンの切ない歌声にかぶさって故クラレンス・クレモンズのサックスが雄叫びを上げる瞬間、この「ジャージー・ガール」という曲に漂っていた愛と憎しみ、夢と諦観、優しさと空しさ、聖と俗など、様々な情感が一気に絶頂へと向けて登り詰める。ほんの30秒足らずの咆哮なのだけれど、この一瞬のカタルシスを味わいたくて、何度もあのライヴ・アルバムに針を落とした。

クラレンス・クレモンズは亡くなってしまったけれど、今は甥っ子のジェイク・クレモンズがそれを引き継いでブロウしている。さすがにクラレンスのようなドラマチックな域には達していないものの、ものすごくがんばっていて泣けてくる。

観客の盛り上がりぶりもごきげん。1番の歌詞、“Across the river to the Jersey side”ってとこでウギャーッ!と歓声が上がるところとか、“Down the Shore everything’s all right”ってところでスプリングスティーンと声を合わせるところとか、サビの“♪シャララ…”を一緒に歌い上げるところとか、あー、この会場に居合わせてみたいと心から思う。てことで、いつものように複数のオーディエンス・ショットをつなぎ合わせてオフィシャル音源と合体させた違法映像(笑)、下に貼っておきます。消されちゃわないうちにお楽しみ下さい。

さて、これからスプリングスティーン&Eストリート・バンドはヨーロッパへ。4月28日のスペインを皮切りに7月25日のイタリアまで、こちらも全31本のツアーに出る。ここでの音源も live.brucespringsteen.net でどんどんオフィシャル・リリースされていく予定だけれど、ぼくもさすがにもうついていけないかなぁ。時間的にもお金的にも…(笑)。セットリストを細かくチェックしつつ、気になるところだけゲットするようにします。

というわけで、このニュージャージー公演の音源でぼくのスプリングスティーン最新ツアー追っかけの旅もいったん打ち止めってことで。しつこく盛り上がらせていただき、失礼しました。

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