Disc Review

GRRR Live! / The Rolling Stones (Mercury Studios/Universal)

GRRRライヴ!/ザ・ローリング・ストーンズ

バート・バカラックが逝去。享年94。

彼に関しては本ブログでも以前、こことかここでちょこっと書いたことがあって。機会があったら軽く目を通していただけるとうれしいのですが。特に2005年のアルバム『アット・ディス・タイム』。ある意味悠々自適で余生を過ごせばいいはずのバカラックが何かにかき立てられたようにリリースした、ソロ名義としては28年ぶりのあのアルバムで聞かせてくれたシリアスかつ意欲的なメッセージが、ぼくは忘れられません。すごい人だったな、と改めて思います。

素敵な音楽をたくさんたくさんありがとうございました。どうぞ安らかに。

それにしても、このところ偉大な音楽家の訃報が相次いで。寂しい限り。まあ、これは世代的なものが大きいのかな。それぞれの世代、自分がいちばん多感だったころにたくさんの感動を届けてくれたシンガーなりソングライターなりミュージシャンなりがいて。それが今、60歳代半ばを生きているぼくの世代の場合、1960年代から70年代にかけてばりばり活躍していた人たちだったりするもんで。そういう人たちが、年齢的なこともあり、このところ立て続けに旅立ちの日を迎えている、と。そういうことだろうから。仕方のないことであるのだけれど。

でも、そういう自分の世代にとってのヒーローたちの中にはまだまだ現役でがんばってくれている人たちもいるわけで。たとえば突如、来日が発表されたボブ・ディランとか、Eストリート・バンドとの全米ツアーを再開したブルース・スプリングスティーンとか、間もなくニュー・アルバムをリリースするというウィリー・ネルソンとか、まだまだお元気そうなフランキー・ヴァリとか、ニール・セダカとか、ポール・マッカートニーとか、そしてもちろんブライアン・ウィルソンとか…。

変な言い方だけど、自分が多感なころ大きな影響を与えてくれたこういう、かけがえのない人たちの活動は最後の最後まで見届けたいなと思う。自分より年下のアーティストに関しては仕方ないとは思うけれど、年上のヒーローたちは、ね。なので、ディランの来日チケットもがんばってゲットするぞ。おーっ! チケット代、バカ高いので、通い詰める…ってことはできそうもないけど。見られるときに見ておかないと。もうLive Nationのプレミアムメンバーは今日から予約できるんだよね。でも、ぼくはメンバーじゃないからなぁ。もう出遅れちゃったなぁ。ああ…。

昨夜届いたバート・バカラックの訃報を受けて、プレイリスト作ろうとも思ったけれど。このところそういうプレイリストが多すぎて。なんだか寂しい気分がつのるばかりなので、来週のスロウバック・サーズデイにでも日を改めて作らせていただくことにして。

今朝は、この人たちもまだまだ現役、ローリング・ストーンズのニュー・リリースを軽く紹介しておきます。『GRRRライヴ!』。いや、まあ、現役というか、この人たちの場合もオリジナル・ドラマーのチャーリー・ワッツが一昨年亡くなって、在籍中の創設メンバーとして健在なのはミック・ジャガーとキース・リチャーズだけになってしまってはいるのだけれど。でも去年、結成60周年を祝うツアーを行なったりして。がんばってます。頼もしいです。

で、今回出た『GRRRライヴ!』はまだチャーリーも存命だった2012年から13年にかけて、彼らが行なった結成50周年を祝う“50&カウンティング・ツアー”の記録。そのツアーの一環として2012年12月、豪華ゲストを迎えつつニュージャージー州ニューアークのプルデンシャル・センターで行なったコンサートで収録されたライヴ盤だ。2012年当時、ペイ・パー・ヴューで有料配信されたものなのでご覧になった方も多いかも。そのときの映像を再編集し、音もリミックスして再構成。CDのみ、ブルーレイ付き、LPなどいろいろな仕様がありますが、とりあえずは2CD+DVD版がいいのかな。

ストーンズ単体の演奏ももちろんかっこいいのだけれど。ニュージャージーといえばこの人、ブルース・スプリングスティーンをゲストに迎えた「ダイスをころがせ」をはじめ、ザ・ブラック・キーズを迎えた「フー・ドゥ・ユー・ラヴ?」、ゲイリー・クラーク・ジュニアとジョン・メイヤーを迎えた「アイム・ゴーイン・ダウン」、レディー・ガガを迎えた「ギミー・シェルター」、そしてミック・テイラーが加わった「ミッドナイト・ランブラー」なども楽しめて、盛り上がる。

基本、2012年12月15日のステージの記録なのだけれど。今回のパッケージ発売に際して、12月13日のステージから「アラウンド・アンド・アラウンド」と「ギミー・シェルター」、そしてジョン・メイヤーをゲストに迎えた「リスペクタブル」の3曲の映像がボーナス追加された。日本版DVDにはさらに「ラスト・タイム」と「ダイスをころがせ」の映像も追加。日本版CDにはその2曲に加えて「ドゥーム・アンド・グルーム」の音も追加収録されてます。

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