Disc Review

Stomping Ground / Dion (KTBA Records)

ストンピング・グラウンド/ディオン

82歳でばりばり現役。元祖“キング・オヴ・ニューヨーク”、ディオン・ディムーチがまたまた帰ってきましたよ。

1年半ほど前に出たこれに続く新作アルバム。この年齢にしてこの制作ペース。すごいなぁ。前作について本ブログで書いたときの繰り返しになりますが、ディオンの場合、内容の良し悪しにかかわらず、新作が出るだけでファンとしては思いきりうれしいわけで。もうそれだけで十分満足なのに。今回もまた内容がいいときた。やばい。

前作『ブルース・ウィズ・フレンズ』同様、ウェイン・フッドが共同プロデュース。ジョー・ボナマッサとロイ・ワイズマンのKTBA(キーピング・ザ・ブルース・アライヴ)レコードからのリリースだ。企画的には前作に引き続きの“共演”もので。曲ごとに多彩な後輩アーティストが参加。偉大な先達をそれぞれのやり方でがっつりサポートしてみせる。

ボナマッサはもちろん、ソニー・ランドレス、ニューヨークの《ベスト・ギターズ》のオーナーでもあるジョー・メンザ、ZZトップのビリー・ギボンズ、ブルース・スプリングスティーン&パティ・スキャルファ夫妻、ジミー・ヴィヴィーノあたりが前作からのリピート参加組。今回新たにラインアップに加わったのは、G.E.スミス、マーク・ノップラー、エリック・クラプトン、ピーター・フランプトン、ウェイン・フッド、スティーヴ・コン、ボズ・スキャッグス、ケブ・モ、マーシア・ボール、リッキー・リー・ジョーンズといった顔ぶれだ。

ライナーノーツは前作のボブ・ディランに代わってピート・タウンゼントが手がけている。一部抜き出してみると、「ディオンはけっして輝きを失わず旋回する星のように、エネルギーを創出し、火を点け、我々の心を奮い立たせ、再スタートさせてくれる。ディオンはどうすれば再スタートを切れるか、輝き続けられるか、それを知り抜いている“スター”だ…」と。

全14曲中13曲がディオン絡みの新曲。単独で、あるいはマイク・アキリーナらソングライティング・パートナーと共作で書き下ろしている。残る1曲はケブ・モを迎えてレコーディングされたジミ・ヘンドリックスの「レッド・ハウス」のカヴァー。ディオンはかつて、1968年に「パープル・ヘイズ」を洗練された意外なアレンジでカヴァーしていたけれど、それに続くジミヘンものかな。

ボナマッサ参加の「テイク・イット・バック」で開幕。G.E.スミスを迎えたタフなロックンロール「ヘイ・ディドル・ディドル」が続いて、聞けば一発で誰が弾いているのかわかるマーク・ノップラーのギターが印象的な「ダンシング・ガール」、エリック・クラプトンに煽られつつ“ロックンロールしたいなら、ベイビー、知ってるだろう? 俺はできるぜ”と不敵に歌い放つ「イフ・ユー・ウォナ・ロックンロール」、ピーター・フランプトンの泣きのギターに乗せて過ぎし日々への悔恨を綴る「ゼア・ワズ・ア・タイム」、ソニー・ランドレスがウルテクのスライド・ギターを軽々とぶちかます「クライン・シェイム」、ジョー・メンザのギターをフィーチャーした「ザ・ナイト・イズ・ヤング」。と、ここまでが前半か。

後半戦はスティーヴ・コンのニューオーリンズ・ピアノが炸裂するドクター・ジョンへのトリビュート・ソング「ザッツ・ホワット・ザ・ドクター・セッド」でスタート。ビリー・ギボンズがブルージーにブギーしまくる「マイ・ストンピング・グラウンド」、パティさんのゴスペル風味のコーラスがいかしているスプリングスティーン夫妻との「エンジェル・イン・ジ・アリーウェイズ」、ボズ・スキャッグスがヴォーカルでかけ合うロードハウス・ロッカー「アイ・ガット・トゥ・ゲット・トゥ・ユー」、ここに先述したケブ・モとの「レッド・ハウス」のカヴァーがあって、ジミー・ヴィヴィーノとマーシア・ボールとともにスウィンギーにジャンプする「アイ・ガット・マイ・アイズ・オン・ユー・ベイビー」、そしてラスト、リッキー・リー・ジョーンズとの切ないデュエットで綴る「アイヴ・ビーン・ウォッチング」へ。

かっこよすぎる。何年か前、ニューヨークで見たコンサートで覚えた感動、また鮮やかに思い出しました。このまま不老不死で突っ走ってもらいたいものです。

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