Disc Review

Heartache in Room 14 / The Altons (Daptone/Penrose)

ハートエイク・イン・ルーム14/ジ・アルトンズ

以前、ここでジー・セイクレッド・ソウルズってチカーノ系のヴォーカル・グループを紹介しましたが。

そんな彼らと活動をともにしてきたジ・アルトンズが久々の新作をリリースしましたー。今回はジー・セイクレッド・ソウルズ同様のダップトーン・レコードから。

ジ・アルトンズは南カリフォルニアのヴォーカル・グループ。というか、シルキーな歌声が魅力的なアドリアナ・フローレスと、創設メンバーでギタリストのブライアン・ポンセの男女デュオがリード・ヴォーカルを分け合っていて。実質的にはこの二人のユニットって感じかも。ソングライティングもすべて二人が手がけてます。

ザ・ダップ・キングスの“ボスコ・マン”ことゲイブリエル・ロスのプロデュースの下、ダップトーン傘下のペンローズ・レコードから出したシングル群、2021年の「タングルド・アップ・イン・ユー」や2023年の「フロート」をフィーチャー。

以前のアルバムは、音楽ジャンル的になんだか微妙な位置をあちこち浮遊しているみたいな仕上がりだったけれど、今回はもうわかりやすいくらいにイーストLAのチカーノ系スウィート・ソウルとか、ムーディなドゥーワップとか、ラティーノ・ソウルとか、スペイン語で歌われるテハーノ風味のボレロとか、そっち方面に思いきり振り切ってます。YouTubeチャンネルをチェックしてみたら、ポンセさんがインプレッションズの「ネヴァー・レット・ミー・ゴー」とかロス・トレス・ディアマンテスの「きみこそわが至福(La Gloria Eres Tú)」とかをカヴァーしていたり。そういう素性の人ってことね。素晴らしい。

いい曲ぞろい。もちろんシングル以外の曲も、プロデュースはボスコ・マン。これまた極上のレトロ・フューチャリズムです。最高。春に向けて、これ、愛聴します。

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