Disc Review

Into the Blue / Aaron Frazer (Dead Oceans)

イントゥ・ザ・ブルー/アーロン・フレイザー

ドゥラン・ジョーンズ&ジ・インディケイションズ。本ブログでは、まじ、何か関連新譜が出るたびにこことかここで取り上げてきているお気に入りバンドで。

まあ、イメージとしてはごきげんなレトロ・ソウル・バンド的な? 1970年代スウィート・ソウルの美学を現代に受け継ぐうれしい存在という感じなのだけれど。アルバムを重ねるごとに、いやいや、それだけじゃないよ、と。バンドとしての幅広さのようなものを提示してきていて。

その傾向は、リーダーであるドゥラン・ジョーンズと、彼とツー・トップを張る重要な個性、ドラマーでありソングライターでもあるアーロン・フレイザー、それぞれのソロ・アルバムでより明確に主張されている。

ドゥラン・ジョーンズのほうはダニー・ハザウェイとか、ビル・ウィザースとか、スティーヴィー・ワンダーとかからの影響はもちろん、ブルースとか、ゴスペルとか、あるいは今どきのジャズ的アプローチにトライしていたり。アーロン・フレイザーのほうは、お得意のファルセット・ヴォーカルを活かしたフィリー系だけでなく、ギル・スコット・ヘロン的なものとか、アイザック・ヘイズ的なものとか…。

そうした多彩な音楽性があってこそ、バンドでのあのたまらなくマニアックな切り口が生まれているんだろうなと思い知る。

というわけで、そんなインディケイションズの要のひとり、アーロンさんのほうのセカンド・ソロ・アルバム。冒頭を飾る「シンキング・オヴ・ユー」は明らかにお得意の東海岸系セヴンティーズ・スウィート・ソウル路線なのだけれど。以降、ソウル系、ディスコ系、ゴスペル系はもちろん、デヴィッド・アクセルロッド的なサイケデリア・ジャズ・ロックもの、エンニオ・モリコーネ的なスパゲッティ・ウェスタンものなどがイマジネイティヴに渦巻く、めくるめく世界観が展開していく。

アーロンさん、本拠地をブルックリンからロサンゼルスへ移したらしく。そんな中でいろいろな別れも体験して、悲しみや孤独を感じて。それらに対する癒やしを求めながら新しい旅を始め、また新たな関係がスタートしたり、愛を感じたり。そうした心境を反映した1枚に仕上がっているようだ。

チリ出身の女性ドラマー/シンガーのカンカムーサがゲスト参加していたりするのも新味。ドラマーどうしの共演です。ヒップホップ系のアレックス・グースをプロデューサーに起用したことでレトロなだけでない空気感も漂って。なかなか聞かせます。やっぱ、この人たちもヒップホップ以降のアーティストなんだなと再認識。

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