Disc Review

Struck Down / The Fabulous Thunderbirds (Stony Plain)

ストラック・ダウン/ザ・ファビュラス・サンダーバーズ

ファビュラス・サンダーバーズへの個人的な思い入れみたいなものは、フロントを張るキム・ウィルソンがソロ・アルバム『テイク・ミー・バック:ザ・ビッグトーン・セッションズ』をリリースしたとき本ブログでも熱く語らせてもらったので。繰り返しはしませんが。

そのときも書いたことだけれど、ぼくは1980年代半ば、初めてニューヨークで見たこの人たちのライヴのことがいまだに忘れられず。その思い出を胸に今なおしつこく聞き続けているわけですが。もうメンバーもがらりと変わってしまったとはいえ、彼らがまだ現役バンドとして活動し続けてくれていることにはやっぱり胸が躍ります。感謝です。

と、そんなファブ・Tバーズ。スタジオ・フル・アルバムとしてはたぶん2016年の『ストロング・ライク・ザット』以来の新作、出ました。この人たち、結成が1974年だから、今年で50周年。それを祝うアルバムでもある、と。そういう感じ。

まあ、現在のTバーズは、ヴォーカル&ハーモニカのキム・ウィルソンの他、自身もソロ・アルバムを3作リリースしているジョニー・モーラー(ギター)、エルヴィン・ビショップのビッグ・ファン・トリオの一員としてもおなじみのボブ・ウェルシュ(キーボード、ギター)、ジャック・マクダフのアルバムやダップトーン・レコードの諸作でちょいちょい名前を見るルディ・ペットシャウアー(ドラム)、本国アメリカのみならずヨーロッパのブルース・シーンでも多くのサポートを行なっているスティーヴ・カースティ(ベース、サックス)という顔ぶれで。キム・ウィルソン以外、もはや原型なしですが(笑)。でも、もちろん心意気は変わらず。

カナダのストーニー・プレイン・レコードからのリリースということもあって、今回、キム・ウィルソンはカナダの人気ブルース・ミュージシャン、スティーヴ・ストロングマンとタッグ。ストロングマン本人が客演したオープニング・ナンバー「ストラック・ダウン・バイ・ザ・ブルース」を含め、全10曲中9曲を共作している。残る1曲「ナッシング・イン・ランブリング」はメンフィス・ミニー作品のカヴァー。ここにボニー・レイット、ケブ・モ、タジ・マハール、ミック・フリートウッドら豪華な顔ぶれが客演している。

その他、ZZトップのビリー・ギボンズ、ザディコのテランス・シミエン、エルヴィン・ビショップらも曲によってゲスト参加。さらにサポート・メンバーとして、ディーン・ショット(ギター)、クリス・エイリーズ(コーラス)、ロブ・サボ(パーカッション)も加わり、お得意のテキサス・ブルースを基調に、サザン・ソウル、ケイジャンまで、仲間が総出でTバーズの結成50周年をごきげんに祝ってみせる。

まだまだアクセル全開の爆走、期待してます。

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