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Disc Review

Break-A-Way: The Songs of Jackie DeShannon / Various Artists (Ace)

ブレイクアウェイ〜ザ・ソングズ・オヴ・ジャッキー・デシャノン

今日、キャロル・キングさんに会いましたよ。いろいろ話が聞けました。楽しかったなぁ。音楽のことばかりでなく、オバマの話とかも熱心に語りあげて。いい年輪の重ね方をしていると同時に、いい形で老け込まずにいる、みたいな。お見事。やっぱ素敵な人だった。なんでも最近は自らの人生を振り返った本を書いているそうで。書き上がるまでは新曲を作るつもりはない、と。でも、これまで本当にたくさんの曲を書いてきたから、何か言いたいことがあっても、あ、それは前にあの曲で書いたな、この曲で言ったな、みたいな感じだから大丈夫なの…と笑ってた。半世紀、変わらず活躍し続けた人ならではの余裕っすね。もうすぐ3度目の来日ツアーが始まる。楽しみです。

あ、そうそう。雑談しているとき、最近ブライアン・ウィルソンと共演したことが話題になって。ブライアンの「グッド・カインド・オヴ・ラヴ」をデュエットしてましたよね? って言ったら、そうなの! と目を輝かせて、それからずっと“グーッカインラッ、グーッカインラッ…”って踊りながら歌い続けてました(笑)。かわいいのぉ。

と、そんなキャロル・キング同様、自らパフォーマーとしても活躍しながら、ソングライターとしての顔も持つジャッキー・デシャノン。彼女のソングライターとしての仕事集が英Aceから出た。以前、予告したやつです。アーマ・トーマス、サーチャーズ、フリートウッズ、シェール、バーズらによる定番曲から、ジミー・ペイジとの共作曲、大滝師匠ファンならば必携のコンコーズ、ジャッキー本人による未発表曲のデモなど、レアなところまで。またまたAceらしいひねりの効いた選曲になっている。

この人の場合、キャロル・キングのようにソングライター期とパフォーマー期とが年代的にくっきり分かれているわけでもなく。自ら歌った大ヒット曲は他のソングライターの作品だったりして、両者それぞれの活動がなかなか有機的に絡み合わなかった感もあり。ハリー・ニルソン同様、なんか損をしているというか。アーティストとしての全体像がつかみにくいというか。実にもったいない話なのだけれど。とりあえず本盤でソングライターとしてのユニークな魅力を味わっておきましょう。

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© 2020 Kenta Hagiwara