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Nothing But Pop File, vol.100: RIP David Sanborn

NBPファイル vol.100:追悼 デヴィッド・サンボーン

ある意味、その音色がもっとも広く、多くの人の耳に届いたアルト・サックス奏者だったんじゃないかと思います。

デヴィッド・サンボーン。

演奏しているのが誰か、その名前は知らなくとも、様々なアーティストたちのレコードのバッキングを通して、あるいは映画やテレビ番組のサウンドトラックとして、この人のアルト・サックスの音色を耳にした方はそれこそ無数でしょう。

そんなサンボーンの訃報。ここ数年闘い続けていた前立腺癌の合併症で5月12日、息を引き取ったそうです。享年78。第一報が届いてからというもの、多くの音楽ファンがそれぞれのSNSなどでその他界を悼み、彼が遺した様々な名演に思いを馳せ、演奏へのリンクを投稿し…。本当にいろいろなジャンルの音楽ファンから幅広く愛されたプレイヤーだったんだな、と。改めてその存在の大きさを思い知りました。

サンボーンについては2020年、彼がメイン・パフォーマーとしてワーナー〜リプリーズ〜エレクトラに在籍していた時期の歩みをまとめた3枚組アンソロジー『エニシング・ユー・ウォント:ザ・ワーナー〜リプリーズ〜エレクトラ・イヤーズ 1975-1999』を本ブログで紹介したとき、あれこれ書かせていただきました。そのときの文章の一部を振り返っておくと——

まだ誌名に“ニュー”が付いていたころの『ニュー・ミュージック・マガジン』誌も“スタジオ・ミュージシャン名鑑”なる特集を組んだりしていて。まあ、今振り返るとずいぶん粗っぽい情報も含まれていたとはいえ、有名どころからマニアックなところまで、様々なミュージシャン名がリストアップされていたその号は繰り返し繰り返し、まるで英単語を暗記するように読み返したものだ。そんな中で、デヴィッド・サンボーンというサックス・プレイヤーの名前も意識するようになったような。というか、ぼくが当時、普通に接していたタイプのアルバムでフィーチャーされていたサックス・プレイヤーといえば、もうトム・スコットかデヴィッド・サンボーンか、たまにマイケル・ブレッカー…みたいな感じだった。

当時のぼくの愛聴盤の中から、サンボーンが参加していたものを思いつくままにだだーっと列挙してみると——。

B.B.キング『ゲス・フー』(1972年)、ラウドン・ウェインライトⅢ世『アルバムⅢ』(1972年)、トッド・ラングレン『魔法使いは真実のスター(A Wizard, a True Star)』(1973年)、ボーダーライン『スウィート・ドリームズ・アンド・クワイエット・ディザイアズ』(1973年)、ポール・バタフィールド『ベター・デイズ』(1973年)、デヴィッド・ボウイ『ヤング・アメリカンズ』(1975年)、ジェイムス・テイラー『ゴリラ』(1975年)、リンダ・ロンシュタット『哀しみのプリズナー(Prisoner in Disguise)』(1975年)、ポール・サイモン『時の流れに(Still Crazy After All These Years)』(1975年)、マンハッタン・トランスファー『ザ・マンハッタン・トランスファー』(1975年)、フィービ・スノウ『夜の調べ(Second Childhood)』(1976年)、マイケル・フランクス『ジ・アート・オヴ・ティー』(1976年)、ガーランド・ジェフリーズ『ゴースト・ライター』(1977年)、ドン・マクリーン『プライム・タイム』(1977年)、チャカ・カーン『チャカ』(1978年)、ドクター・ジョン『シティ・ライツ』(1978年)、カーリー・サイモン『男の子のように(Boys in the Trees)』(1978年)、イーグルス『ザ・ロング・ラン』(1979年)、ボニー・レイット『ザ・グロウ』(1979年)、ピュア・プレイリー・リーグ『ファイアリン・アップ』(1980年)…。

いやいや。1970年代の、ジャズ以外の分野の盤だけ思い出していてもきりがない。要するに、この人のサックス・プレイにはとにかく大いにお世話になった、と。そういうことだ。

というわけで、ぼくもそんなふうにお世話になりっぱなしだったデヴィッド・サンボーン追悼のプレイリスト作ってみました。引用文にも書いていた通り、ぼくにとってはむしろソロ・パフォーマーとしての彼よりも、ポップ・フィールドで多彩なアーティストのバッキングをしていた彼への思い入れが強いので、そっちから印象に残っているプレイを11曲ピックアップして。ラストに1曲だけ、サンボーン自身のアルバムに収められたJT作の小品を添えました。

他にもイーグルスとかビル・ラバウンティとかケニー・ロギンスとかマイケル・ラフとか、いろいろ選びたい曲もあったのだけれど、まじキリがないから。とりあえずの12曲です。

とにかく一音聞けばすぐ、おっ、サンボーン! とわかるその個性は永遠。これからも長く長く、多くの人に時代を超えて聞き続けられていくに違いありません。デヴィッド・サンボーンさん。たくさんの感動をありがとう。どうぞ安らかに…。

RIP David Sanborn

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  1. Young Americans / David Bowie (1975)
  2. How Sweet It Is (To Be Loved By You) / James Taylor (1975)
  3. Ooh Baby Baby / Linda Ronstadt (1978)
  4. Hummin' Song / The Rascals (1972)
  5. Monkey See-Monkey Do / Michael Franks (1976)
  6. Tuesday Heartbreak / Stevie Wonder (1972)
  7. Let Me Love You Tonight / Pure Prairie League (1980)
  8. Sweet Disposition / Phoebe Snow (1976)
  9. Bye Bye Love / Kenny Vance (1988)
  10. You Can Crowd Me / Alessi (1977)
  11. Blue of Blue / Carly Simon (1981)
  12. Benjamin / David Sanborn (1977)

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