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Disc Review

Ain't Nobody Worried / Rory Block (Stony Plain Records)

エイント・ノーバディ・ウォーリード/ロリー・ブロック

昨日もちらっと書いたことですが。コーレッツの来日公演見に行って。コーレッツのフラヴィアさんはもちろん、対バンだったハイマーツのSuzuさんも5678’sのYoshikoさんも、女の子ギタリストって、まじ、かっこいいなーと盛り上がりましたよ。なんか自由で、エモーショナルで、でも時にキュートだったり、クールだったり。そういうツンデレ感も含めて、かなわないなと思う。

ギタリストに限らずロックやブルースの世界で女の子ががつんと活躍しようとすると、昔だったら、“男まさり”とか“男顔負け”とか“女だてら”とか、偏ったキーワードが否応なくついて回ったものだ。女の子の創造的活動が何かと否定されがちだった時代は思いのほか長かった。

いや、過去形にするのは早いか。その傾向は今なお水面下に息づき続けているのだけれど。でも、ジャニス・ジョプリンやグレース・スリックの時代から半世紀以上が過ぎて、ようやく男性対女性という図式が効力を失いつつあるというか。男の時代だの女の時代だの、そんな無意味なマウントの取り合いでなく、「みんなの時代」がやってきたのかな、みたいな。

こうなってくると、実は女の子にかなわないんじゃないかなぁ…と、ぼくは思うのだ。そんなことを改めて思い知らされたコーレッツ来日公演でした。そういえば一昨年、FMヨコハマでぼくがDJをつとめている番組『otonanoラジオ』に竹内アンナさんがゲストで来てくれたとき、それに合わせてぼくの好きな女性ギタリストの演奏を集めたストリーミングのプレイリストを番組ホームページで公開したこともあったっけ。

で、そのときは曲数も限られていたのでセレクトできなかったのだけれど、この人、ロリー・ブロックもかっちょええ女性ギタリストで。大好き。もう70歳代のベテラン。1960年代後半に“サンシャイン・ケイト”名義で活動を開始して、1975年に本格的ファースト・ソロ・アルバムを出して。以来、ごきげんなアコースティック・ブルース・ギタリスト/シンガー・ソングライターとしてコンスタントに活躍してきた。

本ブログでは2020年に出た前作『プルーヴ・イット・オン・ミー』を紹介しました。そこでも書いた通り、あのアルバムはロリーさんが近年続けている“パワー・ウィメン・オヴ・ザ・ブルース”シリーズの一環で。2018年にリリースしたベッシー・スミスへのトリビュート盤『ア・ウーマンズ・ソウル』が第1弾。往年の女性ブルース・アーティスト複数への敬愛を炸裂させた『プルーヴ・イット・オン・ミー』が第2弾。

で、今日ご紹介する新作『エイント・ノーバディ・ウォーリード』がその第3弾ってことになる。シリーズ名は“ブルース”となっているけれど、今回はブルースにこだわらず、ジャンルを超えてロリーさんに影響を与えた女性アーティストへの思いを託したカヴァー・アルバムだ。

カヴァーしている曲の内訳は、メイヴィス・ステイプルズがフロントをつとめたステイプル・シンガーズの「アイル・テイク・ユー・ゼア」、グラディス・ナイト&ザ・ピップスの「夜汽車よジョージアへ(Midnight Train To Georgia)」、メアリー・ウェルズの「マイ・ガイ」、トレイシー・チャップマンの「ファスト・カー」、ココ・テイラーの「アイ・クライド・ライク・ア・ベイビー」、ボニー・レイットの「ラヴ・ハズ・ノー・プライド」、エタ・ジェイムズの「アイド・ラザー・ゴー・ブラインド」、マーサ・リーヴズ&ザ・ヴァンデラスの「ダンシン・イン・ザ・ストリーツ」、キャロル・キングの「君の友だち(You’ve Got A Friend)」、エリザベス・コットンの「フレイト・トレイン」。

ブルースあり、R&Bあり、ロックあり、フォーキーものあり、シンガー・ソングライターものあり。先輩・同輩・後輩取り混ぜて、愛する女性アーティストたちの多彩なレパートリーをロリーさんがアコースティック・ギター弾きながら、ナチュラルに、真摯にカヴァーしまくっている。今回はギタリストとしてというより、ヴォーカリストとしてのロリーさんの魅力を堪能できる1枚。自身が1986年にリリースした「ラヴィン・ウィスキー」の再演も含まれているところが、またいいです。

今月末、国内盤(Amazon / Tower)も出ます。

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