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Disc Review

GIMME SOME TRUTH. (Deluxe Edition) / John Lennon (Capitol/UMe)

ギミ・サム・トゥルース.(デラックス・エディション)/ジョン・レノン

昨夜、アップルの発表会とかずいぶんと深い時間まで生配信で見ていたら、案の定、すっかり寝坊しちゃって(笑)。午前中から仕事もいろいろ立て込んでいるので、今日は手早い更新。ジョン・レノン、一応やっときます。

今、SNSとか見ているとこの盤の広告出まくりって感じの『ギミ・サム・トゥルース.』。なんか“.”を末尾につけるのが正式な表記らしく。なんだかモー娘。みたい。大事な意味があるのかな。10年前に出た同名ボックスと混同しないためかな。アルバム・ジャケットを見るとジョン・レノンの名前にもピリオドが付いていて。本来ならこっちの表記も“ジョン・レノン.”にしないと怒られるのかも。ちょっとめんどくさい。

ビートルズ解散以降、ソロ・パフォーマーとして、あるいはヨーコ夫人と連名で活動していた時期の音源による新選曲ベストだ。2020年10月9日という、もしジョンが健在ならば80歳を迎えたはずの誕生日に、しかも没後40年というタイミングでの編纂/リリース。ヨーコさん、息子のショーンくんがこれぞという曲を選曲し、ポール・ヒックスがリミックスをほどこしている。

まあ、ジョンの場合、ヨーコさんと組んで出したアヴァンギャルドなブツとか各種ライヴとか未発表音源系とかを除くと、完全ソロものが5作、ヨーコさんとの連名ものが3作。基本アイテムが8作しかないので、なんてことなく全部揃えられるし。音楽ファンなら全部揃えるべきだし。

そういう意味でも、この人にベスト盤って特に必要なのかどうなのか…。今回だと収録曲が最終的に36曲に絞られているので、ファンにしてみると、あれ、あの曲は? こっちの曲は? 的な不満も巻き起こったりしがち。ぼく個人の趣味としても、レココレ誌のジョン特集で選ばせてもらった私的ベスト30のうち、2位の「インスタント・カーマ」と3位の「エンジェル・ベイビー」とかは選曲されているけれど、1位に選んだ「ホールド・オン」は入っていないし…。

でも、まあ、節目節目にこういうのがあると新鮮な気持ちになれるのも事実。四の五の言わず、軽い気持ちで受け止めましょう。いい曲ばっかりなことは間違いないわけだし。しかも、リミックスがまたなかなかいい感じ。2018年にアルバム『イマジン』の新規リミックスも手掛けたポール・ヒックスの仕事だけれど。今回もあのとき同様、オリジナル・ミックスのニュアンスに思い切りリスペクトを表明しつつ、うまいこと今の時代の耳になじむ音圧と音像を実現している。

オリジナル・マルチトラック・テープからトランスファーされた音源データを、ジョンがかつてアルバム『ロックンロール』の一部をレコーディングしたことでもおなじみ、米ロサンゼルスの元A&Mスタジオ、現ヘンソン・レコーディング・スタジオで、ヴィンテージ・アナログ機器を最大限に活用しながらのリミックスだったのだとか。

いろいろなフォーマットで発売されていて。基本形は2CD+ブルーレイというセットか。CD2枚に今回選曲された全36曲を収めて、ブルーレイにその96/24のハイレゾ音源と、ドルビー・アトモス、5.1サラウンド・ミックスを収録。貴重かつ美しい未発表写真も満載の124ページ豪華ブックレットもついている。

その他、リミックス音源36曲に簡易的なブックレットを添えた2CD版、そこからさらに収録曲を19曲に絞った1CD版、その19曲をアナログLP2枚に収めた2LP版、36曲をLP4枚に収めた4LP版も。アナログのマスタリング〜カッティングは英アビイ・ロード・スタジオでアレックス・ウォートンによって行なわれている。こっちを手に入れたいかな。ちなみに、とりあえず音だけなんとなく楽しみたいならば、ストリーミングで。ストリーミングは36曲パターンです。

しかし、ジョンが今年で生誕80年。先日亡くなった筒美京平さんも享年80。この世代のポップ・シーンにおける切り拓きぶりって、とてつもないものがあったんだなと思います。

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© 2020 Kenta Hagiwara