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RIP Kyohei Tsutsumi

追悼:筒美京平

作曲家、筒美京平。

そうとしか形容できないのが美しい。いさぎよい。作曲家。少なくとも1970年代以降現在へと至る日本のポップ・シーンにあって、堂々とそう名乗れる数少ないプロのひとりだった。常に裏方としてひたすら楽曲を作り続けることのみによってポップ音楽の美学をぼくたちに思い知らせてくれた偉人。

そんな筒美さんが亡くなった。享年80。悲しい第一報が届いてから、いろいろなところでいろいろな筒美メロディが追悼として流されている。筒美さんがとてつもない数のヒット曲を生み出してきた事実に改めて圧倒されるとともに、聞き手それぞれにとってそれぞれの思い出と直結する筒美京平作品がこれまた無数にあることを思い知る。

とてつもない喪失感。日本に暮らす音楽ファンの誰もが、世代を超えて同じ寂しさを抱いているに違いない。日本のポップ・シーンが大きな“ひと区切り”を迎えたんだな、という事実を否応なく告げる訃報でもあった。

放っておくと“昭和歌謡の第一人者”みたいな言われ方をしてざっくりまとめられてしまいがちな筒美さんだけれど。だいたい“昭和歌謡”というくくり方自体、なんだか乱暴すぎるし、それ以上に、筒美さんはいわゆる歌謡曲のシーンに、まず、ある種の“異端”として関わるようになったソングライターだったという事実と歴史観を忘れたくないなと思う。異端であったからこそ、その独自の感覚、感性で、筒美さんは日本のポップ・シーンを大きく変えることができた。

とにかく裏方に徹していらっしゃって、表に出てくることが極端に少ない方だっただけに、ぼくも直接お目にかかって言葉を交わさせていただいたことはほんの数回しかない。でも、その数少ない機会にお聞きした言葉すべてが深く記憶に刻み込まれている。

筒美さんは亡くなったけれど、筒美さんが紡いだそれこそ無数の名曲たちはこれからもぼくたちとともに生き続けていく。訃報を耳にしてから、なんとなくぼーっとストリーミングで聞き続けた筒美メロディのうち、女性アーティストへの提供曲を中心にいくつかプレイリストにしてみました。Spotifyにトシちゃんの曲がなかったので、Apple Musicで。さらにストリーミングされていない少年隊の「ABC」はYou Tubeで。ぼくが大好きな筒美京平作品のごくごく一部ではあるけれど、どれもが本当にかけがえのない曲ばかりです。

たくさんの宝物を生み出してくれたことに心から感謝します。どうぞ安らかに。

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