Disc Review

Some Girls: Deluxe Edition / The Rolling Stones (Universal)

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サム・ガールズ(2CDデラックス・エディション)/ザ・ローリング・ストーンズ

ぼくの中では、ローリング・ストーンズ流ベイカーズフィールド・サウンドが聞ける必殺のトーキング・カントリー「ファー・アウェイ・アイズ」の収録アルバムとして燦然と輝く『サム・ガールズ』ですが(笑)。一般的には「ミス・ユー」「ホエン・ザ・ウィップ・カムズ・ダウン」「ビースト・オヴ・バーデン」「シャッタード」など名曲を多数含む1枚としておなじみの1978年作品。そのデラックス・エディションの登場です。

ご存じの通り、このアルバムのレコーディング・セッションでは何十曲ものアウトテイクが生まれていて。今回のデラックス・エディションはそこからセレクトされた未発表音源12曲を詰め込んだボーナス・ディスクが目玉。先行してネットで公開されていた「ノー・スペア・パーツ」を筆頭に、クロディーヌ・ロンジェのやばい事件を題材にしたためにあえなくお蔵入りしてしまった「クロディーヌ」や、「ソー・ヤング」のオリジナル・ヴァージョン、「アイ・ラヴ・ユー・トゥー・マッチ」、「ドゥ・ユー・シンク・アイ・リアリー・ケア」など、ごきげんな楽曲の雨アラレ。ハンク・ウィリアムスの「ユー・ウィン・アゲイン」、ドニー・フリッツ作の必殺曲「ウィ・ハッド・イット・オール」、フレディ・キャノンの強烈ポップ・ロックンロール「タラハッシー・ラッシー」といったカヴァー曲もいい。

当時、ディスコ・ビートを採り入れたとか、そっち方面で話題を呼んだ「ミス・ユー」がアルバムの顔的存在だったこともあって、コンテンポラリーなシーンに切り込んだ1枚と評価されることも多かった『サム・ガールズ』ながら、こうしてボーナス曲をいろいろ聞いてみると、思いの外、ルーツ・ミュージック色の濃いレコーディング・セッションだったんだな、と。再確認できます。DVD付きのスーパー・デラックス・エディションもあるけれど、今月は『スマイル』騒ぎもあってなにかと物入りなもんで(笑)。おとなしく2枚組デラックス・エディションにしました。

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