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Disc Review

Performing This Week: Live at Ronnie Scott's Jazz Club / Jeff Beck (Eagle)

パフォーミング・ジス・ウィーク〜ライヴ・アット・ロニー・スコッツ・ジャズ・クラブ/ジェフ・ベック

ブライアン・ウィルソンがミュージッケアーズを受賞したときのトリビュート・イベントの模様はDVD化されているけれど。あれ見て、ジェフ・ベックのパフォーマンスにぶっとんだ方、多いんじゃないかな。ぼくもぶっとびました。改めてこの人のすごさを思い知った。曲は「サーフズ・アップ」。ジョージ・マーティンも絶賛するブライアンのバック・バンドの演奏とコーラスを従えて、ジェフ・ベックがブライアンのリード・ヴォーカル・パートを全部ギターで弾く、と。そういうステージで。

何がすごいって、歌詞が聞こえるのだ。ベックのギターが本当に歌ってる。もちろん、それまでもベックのギターのとてつもない歌心は体験ずみではあったけれど。まさか「サーフズ・アップ」をベックが弾くとは思っていなかったし、一部ちょこっと間違ったりするものの、昨日今日じゃねーぞ…って感じで楽曲自体を身体に入れていて。ギターで見事に歌ってみせるのだ。すごいパフォーマンスだった。で、直後、今度は「サーフィンUSA」で大暴れ(笑)。同じ“波”を扱った曲ではありますが。前曲での繊細な歌心はどこへやら。この落差にも笑えた。

そんなジェフ・ベックの最新ライヴ盤。ドラムがヴィニー・カリウタ、キーボードがジェイソン・リベロ、ベースがタル・ウィルケンフェルド嬢という近年のラインアップで、68年の「ベックス・ボレロ」から00年のアルバム『ユー・ハッド・イット・カミング』の収録曲まで、けっこう満遍なく様々な活動期のレパートリーを取り上げながら爆発している。楽しい。超高速「スキャッターブレイン」とか、実にスリリング。ベックのロカビリー・ギター好きがところどころに顔を覗かせたりもして。頬がゆるむ。

過去のアルバム収録曲以外に、もちろん最近のライヴでの当たり曲、ビリー・コブハムの「ストレイタス」も入っている。カリウタ&ウィルケンフェルドのリズム隊も強力にグルーヴ。女性ベーシストの存在がしっくりこないベック・ファンもいるらしくて、ウィルケンフェルドの参加には賛否渦巻いているようだけど。いやいや、かっこいいすよ。クロスロード・フェスのとき同様、「哀しみの恋人達」で泣けるベース・ソロが聞けます。

あと、ジョージ・マーティンへのトリビュート・アルバムで取り上げていたビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」も収録。これも歌詞が聞こえるパフォーマンスだなぁ。

来年、このメンバーで来日だそうで。あと、本CDと同趣向のDVDも近々出るらしい。そちらにはエリック・クラプトンとの共演とか、ビッグ・タウン・プレイボーイズとのロカビリー・セッションとかも入っているってことなので、そっちを待つほうが正解だったのかな。でも、待ちきれませんでした(笑)。

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© 2020 Kenta Hagiwara