Disc Review

Suga / Kyle Dion (Kyle Dion)

2019.03.25

SugaKyle

SUGA/カイル・ディオン

ケラーニのデビューEPとか、オースティン・マホーンのミックステープとか、ソウレクション・レーベルのコンピとか、パーティネクストドアのツアーとか、おいしいところにちょいちょい顔を出しては知名度を上げてきた新進R&Bアーティスト、カイル・ディオンの初フル・アルバム。“スガ”じゃなくて“シュガー”でしょうかね(笑)。去年あたりから少しずつリリースを重ねてきたシングル曲なども含めて完成させた1枚だ。

数年前に出た『ペインティング・サウンズ』ってやつを『ペット・サウンズ』に空目して聞いたのがこの人との出会いですが(笑)。あれにもたくさん曲が入っていた。けれど、あくまでも今回が初フル・アルバムとしてプッシュされているようなので、あっちはミニ・アルバムというか、EP的な扱いだったのかな。その盤ではわりと打ち込み中心の、エッジの効いたクールなアプローチを展開していた覚えがある。

それに対して、今回は生楽器中心。ちょっとだけファンキーで、ぐっとメロウでシルキー…みたいな感触を強調してきた。このあたり、エグゼクティヴ・プロデューサーをつとめるマーズ・トゥデイの持ち味だろうか。その他、クリス・マクレニー、クイックリー・クイックリーといった顔ぶれがサポート。前作同様、リリース元は個人名になっているのだけれど、やはりソウレクション系列という印象だ。

カイルくんはプリンスとかが好きなのか、あるいはそのルーツとしてのカーティス・メイフィールドとかが好きなのか。いや、まあ、今の世代にしてみればどっちも新旧で言えば“旧”で。同じようにレトロな音楽なのだろうから、そのあたりの世代的なルーツ表明感覚はよくわからないのだけれど。とにかくファルセット・ヴォーカルがかっこよくて。使いどころのコントロールもうまい。もちろん地声も悪くない。多重録音と思われるコーラスワークもなかなか。

世代を超えてソウル・ファンの心をつかめる可能性を秘めている感じ。個人的にはメロウ度を増すアルバム後半の展開がお気に入りです。

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