ブッカー・T・ジョーンズがまたやってくる!
去年の4月ごろ、ビリー・アイリッシュのアルバムを取り上げたエントリーでも書いたことなのだけれど。もう3年近く前に病気して。こんな不健康な生活態度じゃいけないなぁ、と反省しつつ、毎朝ウォーキングとかするようになって。
そのウォーキングの最中にスマホで聞いて気に入ったニュー・リリースを、日々、本ブログに書きとめている、みたいな。そんな感じなのだけれど。
今朝はダメだから。ウォーキングしている場合じゃないから。スーパーボウルだから。チーフス対ナイナーズ。特にどっちかのチームを応援しているわけではないのだけれど。チーフスは50年ぶりの出場だし、クォーターバックが元横浜ベイスターズのマホームズの息子だし。そっち寄りで見ちゃうかも…。
現在、試合前のNFL100周年のセレモニーちゅう。アガる。このまま午前中はテレビにへばりつき状態だな。
ということで、とりあえず今朝はニュー・リリースを聞いているヒマがないので(笑)。いつものディスク・レビューではなく、ちょうどチケット予約受付が開始された超グレートかつスペシャルなリヴィング・リジェンド、ブッカー・T・ジョーンズの来日公演に向けての期待感みたいなやつを、スーパーボウルTV観戦に本格的に突入する前に、軽く記しておきましょう。
去年も本ブログで何度か取り上げたブッカー・T。
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Note By Note / Booker T. Jones (Edith Street Records)
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The Complete Stax Singles Vol. 1 (1962-1967) / Booker T. & The MG’s (Real Gone Music)
1960年にプロとして初仕事して以来、この人がバック・ミュージシャンとして、プロデューサーとして、ソングライターとして、あるいは自らメイン・パフォーマーとして関わってきた名曲は数知れず。この人がいなければスタックス/アトランティック系のソウル音楽のグルーヴはきっと違うものになっていたんじゃないかな、とすら思う。
そんなブッカー・Tは近年、だいたい3年に一度くらいずつ来日してくれていて。今回もいつもの通り、ブルーノート東京で2017年以来の来日公演。そのとき同様、息子さんのギタリスト、テッド・ジョーンズをはじめ、ベースのメルヴィン・ブラノン、ドラムのダリアン・グレイというバンドを従えてやってくる。
ギターを弾いたり、歌ったり、ライヴではいろいろな側面を見せてくれるブッカー・T。とはいえ、やはりこの人最大の売りはハモンドB3オルガンの必殺プレイで。今さら改めて言うまでもないことながら、それがこの上なくクールでかっこいい。
普通、インストゥルメンタル系のプレイヤーのライヴだと、これ見よがしにウルテクを披露する場になりがちだったりもするのだけれど。ブッカー・Tはレコーディングでもライヴでも、けっして饒舌なプレイに溺れない。
たとえば「グリーン・オニオン」にせよ「ヒップ・ハガー」にせよ「タイム・イズ・タイト」にせよ、これまで何千回、何万回演奏してきたかわからないブッカー・T&ジ・MGズの持ち歌を披露する際も、ひたすらクールに、ストイックに、けっしてテーマ・メロディを大きく崩すことなく、音数少なめに、しかしその少ない一音一音でとてつもないグルーヴを現出させるのだった。
なんというか、こう、ソウル音楽の“体幹”みたいなものを知り抜いている人なんだろうなと思う。ステージに姿を現わしたブッカー・Tが、ハモンドの前に座り、おもむろに鍵盤のひとつに指を下ろして単音を鳴らした瞬間、会場の空気が一気にグルーヴする。あのマジカルな瞬間をまた生で味わうことができるのかと思うと、たまらない。やばい。3月が待ちきれない。
3月17日、18日、19日、東京・青山のブルーノート東京で。詳しい情報はブルーノート東京の特設サイトでぜひチェックを。
ちなみに、その翌日、3月20日からは以前、やはり本ブログでも取り上げたリアノン・ギデンスがブルーノートに再来日だっ! この時期、またブルーノート東京に通いづめだな…。とか言ってる間に、ファースト・クォーター、チーフスがクォーターバック・ランで逆転! もうここからはテレビに集中だ(笑)。