Disc Review

This Love / Bobby Oroza (Big Crown)

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ジス・ラヴ/ボビー・オローサ

ちょっと前にSpotifyのリリース・レイダー・プレイリストを聞きながらウォーキングしているとき、ふと流れてきて、一気に惹かれたブルー・アイド・ソウル系アーティスト、ボビー・オローサの初フル・アルバムだ。

フィンランドのヘルシンキ生まれ。おじいちゃんが南米のボリビア出身だとかで、幼いころはおじいちゃんがギターを弾きながら歌う古いラテンとかキューバ音楽とかを聞きながら育ったらしい。お母さんもシンガー。お父さんもジャンゴ・ラインハルト系のジャズ・ギタリスト。兄弟も全員、音楽関係の世界にいるとのこと。当然ボビーもごくごく自然に音楽の道へ。

ご両親のレコード・コレクションがかなり充実していたようで。アーリー・ジャズからブルース、フォーク、ゴスペル、ドゥーワップ、モータウン、さらにはブラジル音楽、アフリカ音楽、サルサなど…。で、ボビーくんはそのすべてを理想的な形で融合させながら自らの音楽性をすくすく育んでいった、と。

ハイスクール時代からプロ活動を開始。ラテンのリズムに大いに興味を抱き、キューバを訪れ、パーカッションと歌を学んだりもしたこともあったという。帰国後、そうした経験を活かしてプロデュースやレコーディングの仕事をするようになり、その流れで2016年、世界のヴィンテイジ・ソウル・ファンからも注目されているフィンランドの趣味趣味レーベル、ティミオン・レコードのハウス・バンド、コールド・ダイアモンド&ミンクとタッグを組み、ティミオン傘下のスタイラート・レコードからシングル「ジス・ラヴ」をリリースした。

すると、米ブルックリンを本拠とするビッグ・クラウン・レコードがこれに目を付け、2018年、世界に向けて配給開始。これがイースト・ロサンゼルスのチカーノ・ソウル・シーンなどでカルトな人気を博すようになり、このほどめでたくフル・アルバムが世に出ることになった、と。そういう感じみたい。

キューバで勉強したというわりに、ヴォーカルはへなちょこ。でも、そのへなちょこさ具合がなんとも、こう、なまめかしさというか、妖しさというか、奇妙な浮遊感を演出しているようで、耳に残る。なんとなく、メイヤー・ホーソーンのデビューのころを思わせるかな。このホームページで紹介したものでいえば、ニック・ウォーターハウスとか、イーライ・ペイパーボーイ・リードとか、チャーリー・フェイ&ザ・フェイエッツとか、ドゥラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズとか、そういうのが好きな人には絶好でしょう。リー・フィールズとともにヨーロッパ・ツアーとかにも出ているそうだ。

基本的にすべてボビー・オローサとコールド・ダイアモンド&ミンクとの共作曲。「シュッド・アイ・テイク・ユー・ホーム」1曲のみ、サニー&ザ・サンライナーズの必殺スウィート・ソウルのカヴァーです。個人的には「ロンリー・ガール」って曲が最高にお気に入り!

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