Disc Review

The Whole Shebang / Charlie Faye & the Fayettes (Bigger Better More)

WholeShebang

ザ・ホウル・シバン/チャーリー・フェイ&ザ・フェイエッツ

正直、こういうのがいちばん好き。心底、好き。テキサス州オースティンを本拠に活動する3人組ガール・グループ、チャーリー・フェイ&ザ・フェイエッツ。

2016年に出したデビュー・アルバムも、モータウンあり、フィレスあり、スタックスあり、A&M系あり、フィリーものあり、ブリティッシュ系あり、曲もアレンジも歌詞も歌唱も、あらゆる面で目の付け所がお見事なヴィンテージ・バブルガム・ポップ・ソウルを聞かせてくれていて、大いに盛り上がったものだ。スワン・ダイヴのビル・ディメインとかも曲作りに絡んでいて。そりゃ、悪かろうはずもない。ちょうどブログを休んでいる時期だったのでここでは何もインフォメーションしませんでしたが…(笑)。

もともとカントリーとかブルースの味もたたえたソロのシンガー・ソングライターとしてアルバムを2作(かな?)リリースしていたチャーリー・フェイを中心に、やはりソロ・アルバムもいろいろ出しているベティスー、そしてナット・アダレイの孫娘のアキナ・アダレーという3人が組んだドリームチームだけに、まあ、ある種の“シャレ”としてアルバム一発で終わっちゃう企画ものなのかなと思ったのも事実。ところが、けっこう各方面から注目を集め、TV番組に曲が取り上げられたり。結果、活動が継続し、2年半のブランクを置いて、めでたくセカンド・アルバムが出ることとあいなった。うれしすぎる。やばい。

今回もビル・ディメインが前回以上に曲作りに関与。ビル・カーチェンがいかしたギター・ソロを聞かせていたり、エルヴィス・コステロを長年支えるドラマー、ピート・トーマスが的確なビートを提供していたり。文句なし。ドリーミーな60年代ガール・グループ・サウンドと、洗練されたノーザン・ソウル・グルーヴと、トワンギー・ギターがうなるブルージーな空気感とが渾然と渦巻く最強の世界観。既視感だらけというか、既視感のみというか、まあ、そう言えばその通りなのだけれど、それがどうした。だからこそ素晴らしい。クオリティも見事。ゴーゴーズみたいなタイプのガール・グループものまで視野に入れていて、ほんと楽しい。

全曲、チャーリー・フェイが単独で、あるいはビル・ディメインら仲間と共作で書いているのだけれど。もともと彼女、シンガー・ソングライターとしてはジェイムス・テイラーやキャロル・キングに大いに影響を受けたそうで。この種の音楽に挑戦するようになって、結果、シンガー・ソングライター期に入る以前のキャロル・キングにチャネリングする形になったわけだ。そのあたりの流れもなんだか面白い。

このプロジェクトだけやってる人たちじゃないし、繰り返しになるけれど、あくまで“シャレ”みたいなものだろうから、この形でライヴを見たりすることはなかなかむずかしいかも。YouTubeにいくつかライヴ映像も上がっているけど、来日とかあろうはずもなく。たまたまオースティンに行ったら絶好のタイミングでスペシャル・ライヴやってました…的な幸運を祈るしかないのかな。細くでいいから長く続けてほしいものです。

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