Disc Review

Nick Waterhouse / Nick Waterhouse (Innovative Leisure)

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Nick Waterhouse

3年ぶりの4作目! まあ、途中、フランスの2人組、オフェンバックと共演したリミックス・シングルがiTunes周りでけっこう注目を集めたり、来日があったり…。さほどごぶさた感はないものの、フル・アルバムの登場はやっぱりうれしい。マイケル・キワヌカ、セント・ポール&ブロークン・ボーンズ、デヴェンドラ・バンハートらとの仕事で知られるポール・バトラーをプロデューサーに迎えて、相変わらず快調にヴィンテージ・ロックンローリン・ソウルを聞かせてくれる。

今回も、もろジョニー・キッド&ザ・パイレーツ! みたいな曲があるかと思えば、マーサ・リーヴス&ザ・ヴァンデラスみたいなポップR&Bがあったり、チャンプスがファンキーなシャッフル・ビートで演奏しているみたいなインストがあったり、もう絶好調。痛快。「アイ・フィール・アン・アージ・カミング・オン」1曲だけ、ジョー・アームステッドのカヴァー。この選曲も渋すぎる。泣ける。オフィシャルなビデオクリップはずいぶんとおちゃらけた仕上がりだけど、このしょーもないチープさもまた重要な持ち味か。

この人だけでなく、イーライ“ペイパーボーイ”リードとか、ジェイムス・ハンターとか、リオン・ブリッジズとか、メイヤー・ホーソーンとか、こういうタイプの音楽をきっちり今の時代に受け継いでいる連中が一定数いて、彼らの音楽がちゃんと新譜としてリリースされ続けて、それが、まあ、めちゃくちゃメジャーなシーンでとは言えないまでも、ちょっぴりマニアックかつマイノリティであるがゆえの熱気が充満するある種のコミュニティのもと、現役の音としてばっちり機能しているという事実には、まじ、胸が躍る。

歌詞も興味深い。サウンド同様、昔っぽい型にはまったありがちなラヴ・ソングなのかと思って聞いてみると、屈折した毒というか、シニカルな疑念というか、諦観というか、そういったイメージがちょいちょい顔をのぞかせて。このあたりの感触は21世紀に生きる者ならではの視点かも。いやいや、かっこいいです。聞いてると、またバンドやりたくなります。

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