レイジー・デイズ:ザ・ブリティッシュ・プログレッシヴ・ポップ・サウンズ・オブ1975/ヴァリアス・アーティスツ
1970年代英国の“プログレッシヴ・ポップ”シーンを1年ごとに振り返る英グレイプフルーツ・レコードの3CDボックス・シリーズ。
グレイプフルーツは他にも同趣向のアメリカものとか、60年代ロサンゼルスものとか、バブルガムものとか、パワー・ポップものとか、いろいろな括りで興味深いコンピを連発してくれているわけだけど。
この“ブリティッシュ・プログレッシヴ・ポップ”シリーズとしては、これまで『New Moon's In The Sky: The British Progressive Pop Sounds of 1970』『Peephole In My Brain: The British Progressive Pop Sounds Of 1971』『Beyond The Pale Horizon: The British Progressive Pop Sounds Of 1972』『High In The Morning: British Progressive Pop Sounds of 1973』『Patterns On The Window: The British Progressive Pop Sounds of 1974』と出し続けていて。本ブログでも——
の2種を紹介したことがあった。で、このほどそれらに続いて1975年エディションが登場。それが本作『Lazy Days: The British Progressive Pop Sounds of 1975』だ。
バッド・カンパニー、スレイド、スウィート、ロキシー・ミュージック、10CC、ELO、ロニー・レイン、シン・リジー、ナザレス、ビ・バップ・デラックス、ホークウィンド、エイス、ブリンズリー・シュウォーツ、パイロット、スタックリッジ、アル・スチュワート、スパークス、ドクター・フィールグッド、キンクス、プリティ・シングズ、ザ・センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド、マンフレッド・マンズ・アース・バンド、ジェスロ・タル、スピーディ・キーン、カーザール・フライヤーズなど新旧入り乱れた顔ぶれによる、おなじみ曲ちょこちょこと、膨大なレア曲とがCD3枚に詰め込まれている。スピーディ・キーンとか懐かしいなー。『ユー・ノウ・ワット・アイ・ミーン』、輸入盤バーゲンで買ったなー。
全65曲、約4時間。1975年というと、ざっくり、パンク爆発の前夜。パブ・ロック・シーンが活気づいて、カルト・ヒーローが生まれ、ベテラン勢がサウンドをアップデートしようとがんばって、グラム・ロックの残り火がしぶとくちろちろしていて…。大きな地殻変動を目前に控えたシーンで何が新たに台頭し、何が埋もれていこうとしていたのかを、混沌の中で追体験させてくれる。
ストリーミングはなくて。誰かユーザーさんが収録曲中ストリーミングされているものだけかき集めたプレイリストを作ったりしてくれていたけれど。今回もたくさんの写真や各曲の秘話などをまとめた48ページのブックレット付きなので、やっぱこれもフィジカルをゲットしたいところかな。