Disc Review

The Third Wave Of… / The Boys With the Perpetual Nervousness (Bobo Integral Records)

ザ・サード・ウェイヴ・オヴ…/ザ・ボーイズ・ウィズ・ザ・パーペチュアル・ナーヴァスネス

トニー・モリーナとかモー・トローパーとか、このところ何作か同趣向のニュー・リリースを紹介してきたのだけれど。今回もまたアルバム全編で30分にも満たないコンパクトなパワー・ポップ盤。

スコットランドのアンドリュー・テイラー(ドロップキック)と、スペインのゴンサロ・マルコス。異国に暮らす二人のシンガー・ソングライターがリモートでつながった今どきならではの遠距離ポップ・ユニット、ザ・ボーイズ・ウィズ・ザ・パーペチュアル・ナーヴァスネス。3作目、出ました。

相変わらずユニット名の元になっているフィーリーズをはじめ、ヴェルヴェット・クラッシュ、ティーンエイジ・ファンクラブ、ウィーザー、ダイナソー・ジュニアあたりから、カーズ、レコーズ、フレイミン・グルーヴィーズあたりを経て、初期バーズにまでさかのぼる、ジャングリーでキュート、かつコーラス・ハーモニー満載のギター・ポップものに仕上がっていて。幸せ(笑)。

1曲を除いてテイラー&マルコスの共作曲。「ルック・バック」「イン・ザ・ライト」「アウト・オヴ・タイム」といった、もう真っ向からのパワー・ポップだけでなく、メアリー・ルー・ロードをデュエット・パートナーに迎えた「アイソレイション」のような、パンデミック時代を反映した内省的なミディアム・ポップ・チューンもあったりして。ちょっと泣ける。ちなみにこの「アイソレイション」のみ、アンドリュー・テイラーの兄弟であるアラステア・テイラーの作品です。

コード進行的にツボをつかれまくりの「ザ・スターズ・ゴー・ラウンド」とか、エルヴィス・コステロや、いやなんならブルース・スプリングスティーンとかも想起させる「ターニング・レッド」とか「オールド・ピクチャーズ・オヴ・アワーセルヴズ」とかもお気に入り。

Apple MusicやAmazon Musicだと全10曲入りだけど、バンドキャンプではメアリー・ルー・ロードのヴォーカルを大きくフィーチャーした「アイソレイション」のアコースティック・ヴァージョンってのがボーナス追加された全11曲エディションが聞けます。デジタル・ダウンロードもあり。ぼくは今のところこれで楽しんでます。フィジカルとしてはアナログ盤(残念ながらこちらも10曲入り)の他、ドロップキックのバンドキャンプ・ページでのみCDも売ってます。こっちは11曲入りなのかな?

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