NBPファイル vol.18：全米ナンバーワン・インスト・ヒット
スロウバック・サーズデイ恒例“NBP（ナッシング・バット・ポップ）プレイリスト”。先週お休みしましたが、今週は何か選ぼうかな、と。テーマを決めるために、今日、5月26日ってポップ・ミュージックにとってどんな日だったのか、ちらちら調べてみたら。
実に些末な、細かい、どうでもいいような情報ではありますが(笑)。1962年の5月26日付けの全米チャートで、ミスター・アッカー・ビルクの「白い渚のブルース（Stranger On The Shore）」がシレルズの「ソルジャー・ボーイ」を蹴落とし、前週の2位からワンランク・アップ、見事1位に輝いていて。
さらに1973年の5月26日付け全米チャートでは、ドーンの「幸せの黄色いリボン（Tie A Yellow Ribbon Round The Ole Oak Tree）」に代わって、エドガー・ウィンター・グループの「フランケンシュタイン」が前週4位からジャンプアップ！ ついに全米1位の座について。
これ、どっちの曲もインストなのだ。インストゥルメンタル・ナンバー。演奏もの。まあ、どっちも、「白い渚のブルース」は翌週レイ・チャールズの「愛さずにいられない（I Can't Stop Loving You）」に、「フランケンシュタイン」はポール・マッカートニー＆ウイングスの「マイ・ラヴ」に、それぞれとって代わられて、1週だけの栄華ってことではあるのだけれど。
最近めっきり見なくなったインスト曲の全米ナンバーワンが、この日、5月26日付けで2曲も生まれているというのは、こりゃ何かあるのかなと思って。今週のNBPプレイリストは全米ナンバーワンに輝いたインスト曲集、と。そんな感じで選んでみました。
まあ、ビルボード紙とかのインスト曲の定義ってのはわりかし微妙で。曲名のフレーズをコーラスが連呼するような、ヴァン・マッコイの「ザ・ハッスル」とか、シルヴァー・コンヴェンションの「フライ・ロビン・フライ」とか、アヴェレイジ・ホワイト・バンドの「ピック・アップ・ザ・ピーシズ」とか、ああいうのも1位に輝いたインスト曲の仲間になるようで。
そういう意味では2013年、YouTubeでのバカ騒ぎを背景に突如大当たりして、ついには全米1位にまでのぼりつめたバウアーの「ハーレム・シェイク」がナンバーワンの座をゲットした最新のインスト・ヒットってことになるのかな。
でも、あれはけっこう派手に、コン・ロス・テロリスタ…とかなんとか、スペイン語のサンプリングが乗っかってて。インストって感じもしないので。となると、最後のインスト全米ナンバーワン・ソングというのは1985年、ヤン・ハマーの「マイアミ・ヴァイスのテーマ」ってことになって。それ以来、かれこれ40年近く生まれていない、と。インスト・ファンとしては寂しい限り。
歌詞がなくてもかっこいいポップ・ミュージックってたくさんあったわけで。そういう火が消えないでもらいたいという願いをこめた12曲です。他にもミーコとかヴァンゲリスとかビル・コンティとかヘンリー・マンシーニとかローレンス・ヴェルクとかデヴィッド・ローズとかベルト・ケンプフェルトとか、昔はたくさんのインスト・ナンバーワン・ヒットがあったので、興味ある方はぜひ各自チェックしていただければ、と。
- Frankenstein / The Edgar Winter Group (1972)
- Grazing in the Grass / Hugh Masekela (1968)
- Love's Theme / The Love Unlimited Orchestra (1973)
- The Happy Organ / Dave "Baby" Cortez (1959)
- Telstar / The Tornados (1962)
- Rise / Herb Alpert (1979)
- Theme from "A Summer Place" / Percy Faith (1960)
- A Fifth of Beethoven / Walter Murphy (1976)
- Theme From S.W.A.T. / Rhythm Heritage (1975)
- Sleepwalk / Santo & Johnny (1959)
- Love Is Blue / Paul Mauriat (1968)
- Stranger on the Shore / Mr. Acker Bilk (1961)
