アウトデイテッド・エモーション/デルバート・マクリントン
明日以降、早朝からスケジュールがみっちりなもんで。毎平日更新を基本的マイ・ルールとして毎朝書き続けているこの趣味のブログ、今週の更新は本日でいったん中断って感じになります。やっぱお仕事、大事なので(笑)。更新を楽しみにしてくださっている読者の方、どれくらいいらっしゃるかわかりませんが、もしいらっしゃるようでしたら、すみません。数日後、仕事が落ち着いたらまたすぐ再開します。
というわけで、今日も明日に備えて取り急ぎの更新。デルバート・マクリントンの新作、紹介しておきます。この人のことについては以前、本ブログで前作『トール、ダーク&ハンサム』を取り上げたとき、あれこれ書かせてもらいました。なので、詳しくはそちらをご参照いただきたい、と。
あれ以来の新作アルバム。カヴァー、オリジナル交えての1枚だ。特にジミー・リードとハンク・ウィリアムスのカヴァーが多くて。前者は「ザ・サン・イズ・シャイニング」「エイント・ザット・ラヴィン・ユー」「アイ・エイント・ガット・ユー」、後者は「セッティン・ザ・ウッズ・オン・ファイヤー」「ジャンバラヤ」「ムーヴ・イット・オン・オーヴァー」の3曲ずつ。ざっくり言えば、そういう、つまりブルース/R&Bとカントリー、二つの重要なルーツ音楽への深い愛に溢れた1枚に仕上がっている。
他のカヴァーものは、ロイド・プライスの「スタッガ・リー」、エイモス・ミルバーンの「ワン・バーボン、ワン・スコッチ、ワン・ビア」、リトル・リチャードの「ロング・トール・サリー」、ジョー・ターナーやレイ・チャールズなどでおなじみの「アイ・ウォント・ア・リトル・ガール」、ペギー・リーやレイ・チャールズ・シンガーズで知られる「ハード・ハーテッド・ハナ」。
「マニー・ハニー」って曲も入っていて、クライド・マクファター&ザ・ドリフターズの例のR&B曲のカヴァーかと思ったら、違った。レディ・ガガのでもベイ・シティ・ローラーズのでもなく、デルバート・マクリントン作のカントリー・ナンバーだった。マクリントン作のオリジナルは他に「トゥー・ステップ・トゥー」「コネチカット・ブルース」「スウィート・トーキン・マン」、そしてラストを締める短いスポークンもの「コール・ミー・ア・キャブ」。
ジョン・ハイアットの2018年作品『ジ・エクリプス・セッションズ』での活躍ぶりも記憶に新しいブルース・ピアニスト、ケヴィン・マッケンドリーとの共同プロデュース。テネシー州フランクリンのザ・ロック・ハウス・スタジオでレコーディングされた。ケヴィンの息子さんであるマルチ・インストゥルメンタリスト、イェーツ・マッケンドリーをはじめ、スチュアート・ダンカン(フィドル)、クリス・スクラッグス(ギター)、ジミー・ステュワート(ギター)、マーク・ウィンチェスター(ベース)、ダニー・フラワーズ(ハーモニカ)、ジム・ホーク(サックス)らがバックアップ。
1940年11月生まれだから、現在81歳。けど、いまだバリバリごきげん。アルバム・タイトルになっている“Outdated Emotion”というのは、まあ、時代遅れの感情、と。そういうことなわけだけれど。時代遅れであろうとなかろうと、ホンモノはいつの時代もぼくたちの心を震わせてくれる。いい音楽は、演る人も聞く人も元気にしてくれる。5月27日には国内盤(Amazon / Tower)も出ます。