Disc Review

forevher / Shura (Secretly Canadian)

forevher/シュラ

チープなエレクトロ・ディスコ・サウンドが印象的だったメジャー・デビュー・アルバムから3年。ロンドンを本拠に活動するシュラことアレクサンドラ・デントンのセカンドがようやく出た。

タイトルはどう読めばいいのかな。“フォーエヴァー”でいいのかな。普通に“forever”って綴りの曲も入っているし、あと、この人は同性愛をカミングアウトしているので、その辺も引っかけての“forevher”なのかも。そう思うとロダンの彫刻「接吻」をモチーフに、女の子ふたりでオマージュしたらしきアルバム・ジャケットもぐっと意味深く迫ってくる気がするけれど。でも、正直よくわからないので、今回はカタカナ表記やめときます(笑)。

自主制作したデビュー作が出たのが2011年。2014年に「タッチ」という曲がYouTubeで大いに話題を集めて一気に注目の的に。ぼくも彼女の存在を知ったのはそのときだった。マドンナとか、ジャネット・ジャクソンとか、そういうのが大好きなんだろうなぁ…という感触にあふれていたけれど。その「タッチ」とか、2016年のアルバムに収められていた「ホワット・ハプンド・トゥ・アス」みたいな曲の底辺に流れていた、こう、なんというか、普遍的なポップ・メロディみたいな、そっち方面の魅力が、本セカンドではぐっと表面に浮かび上がってきた感じ。

なんたって冒頭に置かれた短い導入曲からして、タイトルが「ザッツ・ミー、ジャスト・ア・スウィート・メロディ」だもの(笑)。“あなたのために歌を作るわ/それが私/ただ甘いメロディ…”。

この新作、USツアーの流れで訪れたミネアポリスで制作をスタートさせたとのことで、米国で得た新鮮な感覚のようなものが随所に盛り込まれているよう。ジョエル・ポットとの共同プロデュース。基本的な音作りは前作同様のエレクトロ・ポップ系ながら、手触りはより生々しく、音色的な彩りもぐっと多様になった。

歌詞的には、ガールフレンドとの遠距離恋愛を背景に描かれたらしきなまめかしく直截なラヴ・ソングが大半だけれども、他にもキャリー・フィッシャーというかレイア姫への切実な思いを綴ったバラードとか、刹那とか永遠とか一見確固たるものに思える価値観がどれほど曖昧なものかつぶやく曲とか、時に淡々と達観しているような、時に激しくエキセントリックなような、独特の眼差しに貫かれた楽曲が並んでいる。

成長ぶりを確かな手応えとともに伝えてくれる新作です。

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