Disc Review

1969: I'm Going Your Way (3 tracks single) / The Beach Boys (Brother/Capitol/UMG)

1969:アイム・ゴーイング・ユア・ウェイ/ビーチ・ボーイズ

今年の1月末くらいから、基本的に平日には必ず更新するというそこそこストイックな方針で、日々、気になるニュー・リリースをひとつずつ取り上げてブログ書いてきましたが。

まあ、いろいろあって、お医者さんから体重を落とさないと死ぬぞ…と(笑)。なもんで、この2年ほど、毎日1時間くらいずつウォーキングを継続中。その間、主にサブスク系のストリーミングで気になる新作を楽しんできて。せっかくなので、今年からその感想を中心に日々記録してみることにした、と。そういう感じ。そんなブログに、毎日たくさんの方が訪れてくださるようになって、うれしいです。感謝しています。

で、その更新も今年は今日あたりでおしまいかなぁと考えていたら、なんじゃ、これは…的なEPというかシングルというか、そういうのが慌ただしく飛び込んできたので、メモがてら、今朝はそれを取り上げておきます。

ビーチ・ボーイズの未発表音源が3曲収められたもので。今年のアタマ、このブログでもとりあげさせてもらった1968年編に続く、EU向け著作権延長リリースの1969年編。この3曲ですべてなのか、1967年、1968年同様、もっと大量の曲を収めたセットがリリースされる予定があって、そこからの先行リリースなのか。この時期のビーチ・ボーイズによる未発表録音はもっとたくさんあることが明らかになっているので、何か出そうな気も、まあ、欲ばりなマニアの根拠なき願望もこめてではありますが、するし。でも、もし出るとしたら今年のうち、あと数日の間ってことになるし。んー…。

表題に掲げられている「アイム・ゴーイング・ユア・ウェイ」は「カリフォルニア・スライド」って別タイトルでもおなじみ、デニス・ウィルソン作品。この時期、方向性にいろいろ悩んでいたビーチ・ボーイズは、見た目かっこいいうえに、ソングライターとしても成長著しかったデニスをフロントに立てようとしていた感じもあって。そういう機運の下、録音された1曲だ。

この時期に録音された音源で構成されたアルバム『サンフラワー』にはデニスの曲が4曲収められているけれど、うまくいけばこの曲も入るはずだったのだろう。ただ、ソウルフルな感触というか、のちのカリフォルニア・ロックにも通じる西海岸的ハードっぽいニュアンスが他の曲よりも強かったせいか、当時はお蔵入り。

まあ、明らかに、デニスが車で帰宅中にたまたま拾った女の子のヒッチハイカーがマンソン・ファミリーのひとりだった…って事実を下敷きにした歌詞なので。その辺もボツった原因のひとつかも。もちろん、ブートレッグでは超おなじみ。ファンの間ではすでに人気曲だ。そのオフィシャル・リリースが実現した。“Alternate Vocal Take”ってなっているから、じゃ、正規ヴォーカル・テイクがあるってことだよな…と。やはりこのあと、何かまとまったセットが出そうな予感?

2曲目は『サンフラワー』の収録曲のひとつ、やはりデニスが作った「スリップ・オン・スルー」のテイク3。歌なしのバック・トラックだ。

で、3曲目の「カーニヴァル(オーヴァー・ザ・ウェイヴズ)」。これはご存じ、メキシコの作曲家/ヴァイオリニストのフベンティーノ・ローサスが作ったワルツ「波濤を越えて(Sobre las Olas)」をちょっとおどけた様子のコーラスで綴ったヴァージョンで。当初『サンフラワー』に収録される予定で録音されたものだ。ブートレッグでもよく耳にしたけれど、だいたいブートでは1分ちょっとくらいだったのが、今回は2分40秒くらいあるヴァージョン。まあ、長くて何かいいことがあるのかといえば、そうでもないスニペットみたいなものなのだけれど…(笑)。

もし、これ以上たくさんの音源を収めたセットがEUでの著作権延命のために出るのだとしたら、デニス作品中心になるのかも。「フォーエヴァー」の歌詞違いヴァージョンとか、「レディ」の初期ヴァージョンとか、出てもおかしくないし。いやいや、油断ならない。胸騒ぎの年末だ。

というわけで、今年もお世話になりました。この未発表音源集の全貌が見えたとか、何か突発的に起こったらまた書くかもしれませんが、とりあえず今年はこれでブログじまい。年始は、んー、どうしようかな、世の中の仕事始めのころテキトーにスタートします(笑)。来年もよろしく!

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