ニュー・リリース情報(2019.09.03)/ニール・ヤング、ビッグ・シーフ、ハウディ、ルーシー・コリンズ、グレイス・ポッター、デュラン・ジョーンズ
今朝はいつものディスク・レヴューではなく、今後出るアルバムからの気になる先行トラックをいくつかまとめて紹介する例のやつです。個人的ないっちばんのお気に入り曲は最後にちらっと…(笑)。
ミルキー・ウェイ/ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース
すでに各所で話題になりまくりのニール・ヤング。2012年の『サイケデリック・ピル』以来、実に7年ぶりとなるクレイジー・ホースとの共演アルバム『コロラド』が10月にリリースされる予定だそうで。そこからの先行トラックとして「ミルキー・ウェイ」が公開された。やばい。まじ、これ、『ズマ』だな、まるで。
この人たちの組み合わせは、もう、なんかとにかく特別だから。何かとこのところ男を下げている感じのニールさんも、きっと全編ごきげんなところを聞かせてくれることでしょう。ただ、またややこしいことに、これ、CD版には収録されない曲が入った7インチ・シングルってのがLP版(3枚組)だけに付くんだとか。ああ、もうっ…!
ノット/ビッグ・シーフ
エイドリアン・レンカーとバック・ミークという2人のシンガー・ソングライターを核に活動する米ブルックリンの4人組、ビッグ・シーフの新曲。今年の5月だったかに、これまで在籍していたサドル・クリークから4ADに移籍して通算3作目にあたる『U.F.O.F.』をリリースしたばかりだけれど。10月にもう次作『トゥー・ハンズ』が出るんだとか。
そこからの先行トラック「ノット」を聞くと、“部屋じゃない/始まりじゃない/群衆じゃない/勝利じゃない/惑星じゃない/旋回じゃない/覚醒じゃない/熱じゃない…”などと、脈絡なく、もう徹頭徹尾、あらゆることを否定しまくったあげく、歪みまくりのギターが暴れて、壊れて、静寂…みたいな。
どことなく2016年のファースト『マスターピース』を想起させる、彼らなりの“激しさ”のようなものが感じられたりして。これまた楽しみです。
カシードラル/ハウディ
“カテドラル”とカタカナ表記すべきなのか、ちょっと迷うところですが。ノッケ、いきなり“カシードラル”って歌ってるし…(笑)。
米テキサス州オースティン出身のシンガー・ソングライター・デュオ、ハウディ(Hovvdy)の新作『ヘヴィ・リフター』がやはり10月に出る。そこからの先行トラックがこの「カシードラル」で。メランコリックな音像と内省的な歌声が印象的。目覚めているような、夢の中にいるような、なんとも曖昧に揺れる心象風景の描きっぷりがしみる。
今回もじわじわきます。
ジョシュア・トゥリー/ルーシー・コリンズ
これも“ヨシュア・ツリー”と表記しないといけないのかも。でも、やっぱり“ジョシュア・トゥリー”って歌ってるし。こう書きました。
エミルー・ハリス、パティ・グリフィンあたりの流れにある人で、この曲なんか、もうタイトルからして、アメリカーナ・ファンというか、ルーツ・ミュージック・ファンの心を揺さぶる悲恋の歌。エミルーとグラム・パーソンズのことを描いているのかなぁ…みたいな。「ダング・ダラス」って新曲も最近出た。これもけっこういい曲で。2年ぶりのフル・アルバムが待たれます。
ラヴ・イズ・ラヴ/グレイス・ポッター
こちらも10月に出るグレイス・ポッター姐、4年ぶりの新作『デイライト』からの先行トラック。今回のアルバムもごきげんなルーツ・ロック盤になっているんだろうなぁ、と胸ときめく1曲です。
この4年の間、離婚があって、長年活動をともにしたザ・ノクターナルズとの決別があって、再婚があって、出産があって…。そういったすべてを赤裸々に表現した1曲なのだとか。これまでわりと俯瞰した目線での曲作りが多かった彼女にしては大きな変化という感じ。ベンモント・テンチやラリー・ゴールディングスもバックアップしているらしい。
クルージン・トゥ・ザ・パーク/ドゥラン・ジョーンズ&ジ・インディケイションズ
で、個人的に今いちばん盛り上がっているのが、こちら。以前、アルバムを紹介したドゥラン・ジョーンズ&ジ・インディケイションズのニュー・シングルです。もう必殺のスウィート・ソウル・バラード。最高だ、こいつら!