Disc Review

Stranger Things Soundtrack From The Netflix Original Series, Season 3 / Various Artists (Legacy Recordings)

2019.07.05

StrangerThings-S3

『ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン3』サウンドトラック/ハワード・ジョーンズ、マドンナ、フォリナー、ワム!、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースほか

通常、月末〜月アタマというのはもろもろの原稿の締め切りが重なったりしていて。時間がむちゃくちゃ足りなくなりがちな時期なのだけれど。

そんなこと言っていられません。アメリカの独立記念日に、Netflixで『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3の配信がスタートしちゃったから。やばいです。我が家もさっそくハマっちゃってます。まだシーズン途中のエピソードまでしか見てないけど、今回もさすがの吸引力! 1話見て、「あー、面白かった。さ、残りはまた明日」とか、簡単にやめづらいというか。このまま寝ないで最終エピソードまで見ちゃおっかなー…的な誘惑に駆られるジェットコースター級の仕上がり。

まあ、いちおうオトナなんで、初日はなんとか2話まででやめましたが(笑)。

あと数日はこの誘惑との闘い。てことで、今日は本編の公開と同時に配信も始まったサウンドトラック・アルバムのご紹介です。今回ももちろんカイル・ディクソンとマイケル・スタインによる劇伴サントラも出ているのだけれど、こちらは物語の中で効果的に使われるBGM集。ご存じの通り、『ストレンジャー・シングス』の時代設定は1980年代。舞台はインディアナ州の架空の町ホーキンス。てことで、制作の要であるザ・ダファー・ブラザーズは当時のポップ・カルチャーへのマニアックなオマージュを随所にこれでもかと散りばめていて。

特にシーズン3はあのころのアメリカの賑わいの象徴でもあるショッピング・モールが重要な存在として出てくるので、ファッションとか、お店のロゴとか、ティーンエイジャーたちの会話に盛り込まれた流行語とか、いろいろな小ネタ満載。何度でも見返したくなるツクリになっている。もちろん音楽も。全編にわたって当時のヒット曲がばりばり。過去2シーズンでも、クラッシュを筆頭に、ジョイ・ディヴィジョン、TOTO、ニュー・オーダー、バングルスなどがBGMとして存分に画面を賑わしていたけれど、今回もすごい。そんなBGMの中から16曲を収めたのが本作だ。

登場人物に合わせてたまに古い曲が流れたりもするので、そういうのを反映してか、予告編で使われていたことでも大いに話題を呼んだザ・フーをはじめ、70年代と60年代と、さらには40年代の曲がそれぞれひとつずつ収められているものの、基本的には80年代ものばっかり。ハワード・ジョーンズ、マドンナ、フォリナー、ジョン・メレンキャンプ、ポインター・シスターズ、REOスピードワゴン、ワム!、アル・ヤンコヴィック、カーズ、コリー・ハート、ティーナ・マリー、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース…という、なんともはやな選曲で。楽しい。登場人物のひとり、ダスティンが謎のガールフレンドと歌う「ネヴァー・エンディング・ストーリー」なんてのも入ってるし(笑)。

とともに、やっぱり80年代、最新のデジタル技術がポップ音楽の制作現場に突如、大量に流入してきて、音作りがずいぶんと混乱していたことを改めて思い知らされる内容でもあります。

よくあちこちで発言させてもらってきたことだけれど。すべてがアナログだった70年代までの音作りと、デジタル技術がシーンに馴染んできてだいぶ落ち着いた90年代以降の音作りというのは、実はけっこう整合性が取れているというか、根底に同じ感触が流れているというか。それに対して、まだデジタル技術がこなれておらず、誰もが新奇な技術と必死に格闘せざるを得なかった80年代半ばくらいまでの音というのは、なんだかそれだけ独特というか、特殊というか。良し悪し/好き嫌いは置いといて、とにかくものすごく変わっているのだ。妙な時代だったと思う。

そんなことを改めて確認させられたサントラでもありました。さあ、こうしちゃいられない。今日も早く仕事終わらせて『ストレンジャー・シングス』見るぞ! 番組のほうではここに収められなかった、他のごきげんなエイティーズものもいっぱい使われているし。あれこれ思い出します。待ってろ、エル!

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