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Hello Sunshine / Bruce Springsteen (Columbia)

2019.04.30

HelloSunshine

このブログ、最近はいちおう平日更新というか、土日祝日以外の日に更新しようと勝手に決めて続けているのだけれど。さすがに世の中10連休とか言ってて。10日間、空けちゃうのもナンだかなぁ…と。

なので、10連休中のわりと平日っぽい日に簡単な更新しとこうかなと思い立ち、これ、さくっと書いてます。いつものディスク・レビューではなくて、最近のお気に入り曲のご紹介。たくさんの方がすでに聞いていらっしゃると思うけれど、ブルース・スプリングスティーンの新曲があまりにもいかしていたもんで…。

ハロー・サンシャイン/ブルース・スプリングスティーン

自分の好きなアーティストが、もうひとり、別の好きなアーティストと、何らかのつながりというか、脈絡を感じさせてくれた瞬間というのは、誰でもこの上なくうれしいものだろう。その脈絡が多少なりとも意外性をともなっていれば、それはそれでさらに盛り上がる。

たとえばボブ・ディランが「ホエン・ザ・ディール・ゴーズ・ダウン」でビング・クロスビーからの影響を露わにした瞬間とか。フランク・シナトラのカヴァー・アルバムを出した瞬間とか。ベン・フォールズにインタビューした際、彼がニール・セダカへの限りない敬愛を表明した瞬間とか。リチャード・カーペンターがフランク・ザッパについて力強く語ってくれた瞬間とか…。ぼくに限ったことかもしれないけれど、個人的にはこうしたとき、自分の中で別々のベクトルをもって愛聴していたものどうしの思わぬ接近遭遇劇にぐっと胸がときめいたものだ。

われらがボス、ブルース・スプリングスティーンもそういう盛り上がりをいつもプレゼントしてくれる存在だ。

「ボーン・トゥ・ラン」や「ハングリー・ハート」でフィル・スペクターへの熱い眼差しを感じさせたり、「Eストリート・シャッフル」から「マイ・シティ・オヴ・ルーインズ」に至るまで事あるごとにカーティス・メイフィールドへの敬意を表明してみせたり、「ファイア」で60年代のエルヴィス・プレスリーへの愛を炸裂させたり、『ザ・ゴースト・オヴ・トム・ジョード』でウディ・ガスリー、さらにはスタインベックへの見識を披露したり、『ウィー・シャル・オーヴァーカム〜ザ・シーガーズ・セッションズ』で偉大な先達、ピート・シーガーにアプローチしたり、「ジス・ライフ」で『ペット・サウンズ』期のビーチ・ボーイズ・サウンドに急接近したり…。

で、今回だ。やってくれましたよ。グレン・キャンベルでしょ、これ。ジョン・ハートフォード作の「ジェントル・オン・マイ・マインド」というか、当時よくキャンベルとタッグを組んでいたジミー・ウェッブ作の「ウィチタ・ラインマン」というか、あのあたりの感触。アレンジにもウェッブのニュアンスが強いし。あるいは、ダニー・オキーフの「グッド・タイム・チャーリーズ・ガット・ザ・ブルース」というか。フレッド・ニール作、ハリー・ニルソン歌の「エヴリバディーズ・トーキン」というか。ボビー・ジェントリーの「モーニング・グローリー」というか。マール・ハガードの「イフ・ウィー・メイク・イット・スルー・ディセンバー」というか。

歌われているのは、旅の途上、傷ついた心を抱えて行く先に惑う男の心象だ。雨模様の空を見上げ、去ってしまった女を思い、つぶやく。ハロー・サンシャイン、ここにとどまってくれないか…。

やばい。60年代後半から70年代初頭のポップ・カントリーの世界。スプリングスティーンがそこにやってくるとは! ブロードウェイでのひとり弾き語りパフォーマンスを経て、ストリーテラーとしての力にさらなる磨きをかけ、ついにこの世界へと足を踏み入れたということか。

6月のリリースがアナウンスされた待望の新作アルバム『ウェスタン・スターズ』からの先行トラックだ。ロン・アニエロがプロデュース。パティ・スキャルファ、チャーリー・ジョルダーノ、スージー・タイレルらEストリート・バンドの現メンバーに加え、初期メンバーのデヴィッド・サンシャスも参加。ジョン・ブライオンの名前もクレジットされているこの新作がどんなことになるのか。楽しみ。資料によれば、“ハイウェイと荒涼とした空間、孤立感とコミュニティ、そして家庭や希望の不変性といったアメリカ的なテーマを広範囲に網羅”した全13曲だとか。早く聞きたい!

ドント・ビー・ディナイド/ニール・ヤング&ザ・ストレイ・ゲイターズ

ついでなので、他にも注目の新作アルバムからの先行公開曲を。

ニール・ヤングのアーカイヴズ・パフォーマンス・シリーズの一環なのかな。1973年、アラバマ大学でザ・ストレイ・ゲイターズを率いて行なったコンサートの模様を記録した『タスカルーサ』が、こちらも6月にリリースされるとアナウンスされたのだけれど。そこから先行で「ドント・ビー・ディナイド」が公開されている。

このツアーの模様は、当時、アルバム『タイム・フェイズ・アウェイ』に記録されて世に出ている。ただ、『タイム・フェイズ・アウェイ』はドラムがジョン・バーバタにチェンジした二世代目のストレイ・ゲイターズによる演奏。対して、こちらのドラムはケニー・バットリー。傑作アルバム『ハーヴェスト』のときと同じ、ベン・キース、ジャック・ニッチェ、ティム・ドラモンド、ケニー・バットリーというラインアップによるストレイ・ゲイターズの演奏が楽しめるのがポイントだ。

なんでも、アナログは2枚組でサイド1〜3が音、サイド4がアートワークだとか。面白そう。

キャロライン・ノー/クリッシー・ハインド

もういっちょ。プリテンダーズのクリッシー・ハインドがこの9月にリリース予定の新作ソロ・アルバム『ヴァルヴ・ボーン・ウォー』から先行で、なんとビーチ・ボーイズの「キャロライン・ノー」のカヴァーを披露してくれた。

この新作アルバムはジャズ寄りのカヴァー・アルバムになるそうで。クリッシー姐さんによるその種のカヴァーものということだと、以前、映画『氷の接吻』の中でも使われた「アイ・ウィッシュ・ユー・ラヴ」を思い出すのだけれど。あれも素晴らしかったから、きっと最高の1枚になるはず。予告されているトラックリストを眺めてみると、もろジャズ寄りの楽曲ばかりでなく、ニック・ドレイクの曲とかも取り上げているようで、楽しみ。ブライアン・ウィルソン/トニー・アッシャー作の「キャロライン・ノー」もその流れでのカヴァーだろう。アレンジも面白い。

さらに「アイ・ウィッシュ・ユー・ラヴ」の原曲となっているシャンソン「残されし恋には」も入っているようで。今回はフランス語で歌っているのかな。

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