Disc Review

Amour / Colin Linden & Luther Dickinson (Stony Plain)

投稿日:2019.03.19 更新日:

Amour

アムール/コリン・リンデン&ルーサー・ディッキンソン

ブルース・コバーン、ザ・バンド、スー・フォーリーらカナダ系アーティストとの充実した仕事ぶりや、Tボーン・バーネット絡みのグレッグ・オールマン、リアノン・ギデンス、ダイアナ・クラールらのアルバムでの的確なバッキング・ワークなどで知られるコリン・リンデン。

ジム・ディッキンソンの息子として、ブラック・クロウズのメンバーとして、あるいはジョン・ハイアットやジム・ローダーデイルらとのコラボレーションでもおなじみのルーサー・ディッキンソン。

自身ソロ・アーティストとしても着実に活動する2人のルーツ・ロッカーが初タッグを組んで作り上げたアルバムが本作『アムール』だ。アムールってくらいだから、テーマはもちろん愛。ざっくり言えば、ラヴ・ソング満載のカヴァー・アルバムということになるのだが、そこはルーツ・ロック/アメリカーナ系の才人2人。一筋縄な選曲では終わらない。ブルース、R&B、カントリー、フォークなどアーシーなジャンルからピックアップされた渋いラヴ・ソングたち——うまくいく恋の物語だけでなく、うまくいかないものも含めて——が、ずらり勢揃いしている。

ロイ・ハミルトンの「ドント・レット・ゴー」、ジミー・リードの「オネスト・アイ・ドゥ」、トラディショナルの「ケアレス・ラヴ」、レイ・プライスの「クレイジー・アームズ」、クリス・クリストオファソンの「フォー・ザ・グッド・タイムズ」、クライド・マクファターの「ラヴァー・プリーズ」、チャック・ウィリスの「ホワット・アム・アイ・リヴィング・フォー」、ボ・ディドリーの「ディアレスト・ダーリン」、エルヴィス・プレスリーの「アイ・フォーゴット・トゥ・リメンバー・トゥ・フォーゲット」というラインアップ。

これらの名曲たちを、時にはスライド・ギターの響きを効果的に活かしたアンビエントな音像で、時にはレイドバックしたシャッフル・ブルース調で、時には沈静したスロー・カントリー・ワルツで、時にはザディコ風味のロックンロールで、見事に料理して聞かせる。ドミニク・デイヴィス(ベース)、ブライアン・オーウィングス(ドラム)、ケヴィン・マッケンドリー(キーボード)、ファッツ・キャプリン(フィドル)らナッシュヴィルの名手が結集した“ザ・テネシー・ヴァレンタインズ”のサポートも的確だ。もちろん、主役2人のギターが随所で存在感を大いに発揮していることは言うまでもない。

ヴォーカル面では、レイチェル・デイヴィスとルビー・アマンフがコーラスに、リードに、大活躍。かのビリー・スワンも1曲参加しているほか、サム・パラディオ、ジョナサン・ジャクソンらの名前も。アップ目の曲も含めて、どの曲もデヴィッド・リンチの映画に出てきそうな、憂いに満ちた夢の中をゆっくり歩いているみたいなムードに包まれていて、なんとも味わい深い。

輸入盤はすでに2月に出ているけれど、もうすぐ、3月22日にはBSMFから国内流通盤も出るそうです。

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