Disc Review

Meet the Lostines / The Lostines (Gar Hole Records)

ミート・ザ・ロスティーンズ/ザ・ロスティーンズ

いよいよゴールデン・ウィークですねー。

てことで、ぼくが出演させていただく5月のイベント関連、いくつか軽くお知らせしておきます。まずはいつものCRT。5月21日(火)にエリック・カルメン追悼ナイトです。おかげさまで予約で満席になっている状態ですが。近くなったらキャンセルが出るかも、です。そのあたりは本ブログのCRTインフォの欄を参照のうえ、会場であるロック・カフェLOFTのほうにお問い合わせください。ラズベリーズ以前から、ソロ時代まで、エリック・カルメンの魅力をたっぷり味わい直しつつ、早すぎる他界を悼みましょう。

そのちょっと前、5月16日(木)には、文化放送『くにまる食堂』でおなじみ、野村邦丸さんとともに懐かしの洋楽をいい音で聞きまくりながら、飲んで、ダベって、大いに楽しむ『洋楽ジャパン〜ライヴ・イン中目黒』があります。今回で3回目。“vol.3 洋楽夏場所”と銘打ってお届けします。こちらはWEBサイトとかチケット販売サイトがあります。詳細など含めてそちらをチェックしてみてください。両サイトでタイトルが異なっていたり、相互リンクがなかったり、なんだかテキトーな感じですが(笑)、大筋はわかると思います。よろしくお願いします。

あと、東京・池袋の新文芸坐で、オノ セイゲンさんがマスタリングした超絶高音質で音楽映画を楽しむことができるシリーズ“オノ セイゲン presents「オーディオルーム 新文芸坐」”の一環として、5月末に『エリック・クラプトン アクロス24ナイツ』が2回ほど上映されるのですが。そのうち5月25日(土)14時20分の回の上映後、セイゲンさんとぼくとでトークショーする予定です。これもWEBのほうで情報チェックしてみてください。

まあ、トークの行方がどうなるかはわかりませんが(笑)、何はともあれクラプトンのレギュラー・バンドでの演奏だけでなく、大物ブルースマンを迎えたセッションや、マイケル・ケイメン指揮のナショナル・フィルハーモニー・オーケストラを従えたステージなどをセイゲンさんのリマスターで堪能できるので、ご興味ある方はぜひ。


と、もろもろ業務連絡を終えたところで、本日のピックアップ・アルバム。ザ・ロスティーンズという女性2人組の初フル・アルバムです。

メンバーはケイシー・ジェイン・リース=カイグラーとカミール・ウィンド・ウェザーフォード。ふたりともオレゴン州出身のソングライターながら、出会ったのは10年ほど前、音楽の街、ニューオーリンズで。そこで意気投合して結成したのがザ・ロスティーンズらしい。

ぼくは今回初めて聞いたのだけれど、2019年、すでに4曲入りEP『ザ・ロスティーンズ』をリリースしていて。それがたぶんデビュー作。その後、2022年にニック・ショルダーズとの連名で、それぞれ2曲ずつ収めたEP『ハート・オヴ・ナイト』をリリースして。

で、今回ようやく初フル・アルバムにあたる本作『ミート・ザ・ロスティーンズ』が出た、と。そういう流れみたい。1曲目の「ア・ティアー」を聞いたとたん、ハマりました。この曲と、アルバムの最後を締める「ラスト・ナイト」は、前出のEP『ハート・オヴ・ナイト』にも入っているので、2年前にもう聞くことができていたはずなのだけれど、全然気づかずスルーしてました。いやー、知らないところにいい曲がまだまだありますなー。油断ならない。

この曲を筆頭に、アルバム全編、1960年代のガール・グループ味と、ティーンエイジ・アイドル・ポップ味と、南部ならではのスワンプ味と、ケイジャン味と、インディ・フォーク味などが静かに入り乱れる、なんともキュートで、ドリーミーで、しかし、こう、古い例えで言えば、トワンギーなバリトン・ギターの響きとかも含めて『ツイン・ピークス』的にやばくて、幽玄で、浮遊感に満ちた世界。

ふたりは今回共同プロデュースを手がけているサム・ドアーズをはじめとする音楽仲間何人かを交えてアカペラ・ドゥーワップ・グループを結成し、フレンチ・クォーターのロイヤル・ストリートでバスキングしつつお金を稼いだりもしていたとかで。個人的にはそういうキャリアが育んだのであろうエヴァーグリーンなオールディーズ色が特に魅力的だったりしますが。

とにかく様々な切り口から楽しめそうなロスティーンズ。全曲、ふたりの共作曲で。今回のアルバム用に書き下ろされたものもあれば、古くからのレパートリーもあるようで。結成からここまでの歴史をとりあえずまとめた初フル・アルバムということになりそう。このままの感じで、世代を超えた“やばくて、いい曲”を作り続けてもらいたいものです。

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